サポート期間が終了してしまったOSやハードウェアでお悩みの場合は…

Windows

Windows XPの延長サポート期間がいよいよ来年の2014年4月9日に迫ってきました。Windows XPは世界的に見てもユーザ数の多いOSなので、サポートが終了した後も使い続けるか、それともWindows 7などに切り替えるか(Windows XPモードを使うなど)…方向性は様々です。

企業ではWindowsのサーバ製品(Windows 2000 ServerやWindows 2003 Server)を使って、アプリケーションを動かしていることもまだまだ多いと思います。将来のためとは言え、システムを「総とっかえ」するのは現実的でないという場面も少なくありません。以前仮想化ソフトウェアのVirtualBoxを使って新規に端末を購入しないで最新のOSを使う方法をご紹介しました。今回はLinux標準の仮想化ソフトウェアであるKVMを使って、サポートが終了している(または迫っている)様々なWindowsの仮想マシンを作ってみることにしました。

「低予算で現行システムの延命を図る」というのが主な狙いです。

仮想化の実例についてはこちら

KVMとは?

KVMは、Linux Kernel自体をハイパーバイザとする仕組みで、正式名称を「Kernel-based Virtual Machine」といいます。KVMは現時点では、Intel VT-xやAMD-VといったCPUの仮想化支援機能を必要とし、完全仮想化によりOSの仮想化環境を提供します。

(@ITより引用)

詳しくはこちらをご参照下さい↓↓
http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/0903/12/news120.html

取り組みイメージ

FedoraというLinux上にKVMを構築し、Windowsを動かしています。ゲストOSはWindows 2000 Srever、Windows XP、Windows 7の3つです。

ソフトウェアのイメージ

仮想化のメリット(サーバの場合)

  1. 複数の物理サーバで行っていることをほとんどそのまま、単一のサーバでできる
  2. 電気代が節約できる(稼動させる物理マシンが少なくなるため)
  3. 管理方法が一元化され、管理を簡単に行える
  4. 古くなったOSやハードウェアに対して延命措置として活用できる
  5. システムだけ最新のハードウェアに移し替えることができるため、ハードウェア故障の心配が少なくなる

などが挙げられます。もちろんいいことだけではありませんが、バックアップ体制を整えておけば、非常時のリカバリもできて安心です。

今回の実験環境

ハードウェア:タワー型PC(近日発売予定)
CPU:Intel Core i7 4770K 3.5GHz(4コア8スレッド)
メモリ:16GB
マザーボード:DZ87KLT-75K
ストレージ:2TB ハードディスク

仮想化ホストOS:Fedora 19 デスクトップ版
仮想化ゲストOS:Windows 2000 Server、Windows XP 、Windows 7

正面背面内部

仮想環境の準備

ここではRedHat系のLinux(Fedora、CentOS等)を使うことを前提にしています。仮想環境の構築には、Linux標準のKVMを使います。KVMの利用に際しては、仮想化対応のCPU(Intel-VT、AMD-V)が必要です。何台もの仮想マシンを立てたい場合には、CPUのコア数とメモリ容量がキーになってきます(マシンの速度に大きく影響します)。最近のIntelやAMDのCPUでは仮想化対応のものが多くなってきていますので、巷の評判等を調べて選定してみて下さい。メモリは16GB以上がオススメです。
※CPUの仮想化機能はBIOS側で設定が必要な場合もありますので注意して下さい。

仮想化ソフトウェアとしてvirt-managerとlibvirtというものが必要ですので、yumコマンドでインストールします。

# yum -y install libvirt*
# yum -y install virt-manager

インストールが完了したら、あとはGUI画面から「仮想マシンマネージャー」を起動します。仮想マシンマネージャーが起動したら「新しい仮想マシンを作成」していきます。設定の仕方については以下の動画を御覧ください。

仮想マシンを起動してみた

KVM上にWindows 2000 Server、Windows XP、Windows 7をインストールして同時に3台起動させてみました。各ホストOSはウィンドウ上に展開され、マウスやキーボードで操作することができます。ホストOSの操作に戻る時はCtrl+Alt+Lを押します。起動の様子は以下の動画を御覧ください。ハードウェア資源をどれだけ使えるかにも依りますが、今回の実験環境ではわりとスムーズにホストOSを起動できました。

他にもこんな使い方ができます

仮想ホストにVNCサーバをインストールすれば、ノートパソコンはもちろんのこと、スマートフォンやiPadなどのタブレットからも仮想マシンマネージャーを遠隔操作することができます。

VNCとは?
ネットワークに繋がった他のコンピュータの画面を遠隔操作するソフトウェア。インターネットを通じて遠隔操作することもできるが、LANでの使用を想定しているため、電話回線等の低速な回線では実用にならない。
(IT用語辞典 e-Wordsより引用)

例えばiPadを使って操作するためには、iOS用のVNCクライアントソフトウェアをインストールします。接続ポートやIPアドレスを指定すればあたかも仮想ホストが手元にあるかのように操作できます。AppleからiOS7がリリースされましたので、iOS7に対応したVNCクライアントを使って実際に操作してみました。VPNなどで接続すれば外出先から会社のサーバにアクセスすることもできます(実験予定です!)

VNCクライアントには無料の「Mocha VNC Lite」を使用しました。

mochavnc


システム更新の際には仮想化も視野にいれてみてはいかがでしょうか

仮想化技術を使えばシステム更新の際に思わぬ道が見えてくるかもしれません。アミュレットではKVMの他にXenServerやVMwareなどの仮想化基盤構築の経験があります。古いOSやハードウェアの更新にお困りの際は些細なことでもお気軽にご相談下さい。

Windows仮想マシンの展示は来週10/21(月)〜来月11/1(金)まで実施予定です!(iPadのデモもご用意しています)