Nicos Argillet
ドキュメンタリー映画監督

 Nicos Argilletはパリとレイキャビクを拠点とするフリーランスの映画監督および撮影監督です。彼は様々な出来事を人々に伝える義務感に駆られて、彼自身の言葉を借りれば、現実世界を映画のように素晴らしく見せたい、という思いを原動力に活動しています。

 Nicosはソルボンヌの学部で学んだ社会学者であり、独学によってドキュメンタリー映画監督となりました。
 過去10年間、彼はアラスカ、グリーンランド、バヌアツ、パプアニューギニアなど世界の最辺境地で活動しています。そこで彼は、社会問題と環境問題を追跡するドキュメンタリーを20作以上、ARTE、CANAL+、France Télévisionsといったフランスの様々なテレビ局のために監督しました。

 2016年には現代のサーカス芸術を描いた詩的な映画「Cirque Hors Piste」を脚本・監督し、Lauriers de la Radio et de la Télévision(*1)で文化賞を受賞しました。

 2005年には環境問題について、そして2017年には先住民の孤立した村の医療に関して、仏領ギアナで2つのドキュメンタリー作品を撮影しました。その後、彼は定期的にマロニ川(*2)を訪れるようになりました。

 彼の最新作「Varado — The Curse of Gold」は2021年のthe Hot Docs Forum(*3)に選出されています。

(*1)訳注:フランスの優秀なラジオ・テレビ番組に授与される賞。
(*2)訳注:仏領ギアナとスリナム共和国の国境をなす河川。
(*3)訳注:毎年カナダで開催される国際的なドキュメンタリー映画祭。

“2017年以来、僕らはWiseのメモリーカードを地球上のすべての大陸で使ってきた。どんな気候や温度でも、期待を裏切られることはなかったよ.” – Nicos Argillet

※動画には一部、身体欠損を含む怪我の映像が含まれています。視聴にはご注意ください。

使用機材
メモリーカード
Wise CFexpress Type B カード CFX-B PROシリーズ
Wise CFast 2.0 メモリーカード
・Wise CFX / SD コンボカードリーダー
・Wise CFast 2.0 カードリーダー USB 3.1 Type-C

カメラ
・キヤノン EOS C300 Mark III
・キヤノン EOS C200
・キヤノン EOS C70

カメラ設定
Cinema RAW Light

 ぬかるみ、灼熱そして湿気―ドキュメンタリー映画監督のNicos Argilletにとっては一秒一秒が勝負だ。
 未知なる世界の素晴らしい物語を伝えたいという情熱に突き動かされて、Nicosはその困難なミッション―全土の90パーセント近くがアマゾンの熱帯雨林で覆われた仏領ギアナに入り、悪名高い財宝にまつわる物語を解き明かすこと―を引き受けた。それは金塊についての隠された物語だ。

 ”ガリンペイロ”(*4)―そう自称する者たち―彼らも金を追う者の一部であり、物語の悪役である。
 ガリンペイロたちは日々、原始の森をわきまえなく切り刻み、掘り、破壊して荒廃させる。川には水銀やヒ素を流出させる。フランス軍との戦闘で流血は避けられない。

(*4)訳注:アマゾン奥地に1690年ごろのブラジル・ゴールドラッシュ以降に流入し、一攫千金を夢見て過酷な生活・労働環境下で働く金鉱採掘人たち。

 Nicosはブラジルからやって来た5人のガリンペイロ達を追った。彼らは数グラムの金に一生を賭けることを選んだのだ。それは彼らにとって、今まで手にしたことのなかった自由なのかもしれない。貧しく死にゆくだけの運命から抗おうとするガリンペイロ達の絶望を理解した後では、善悪は曖昧なものになる。

 ドキュメンタリー監督としては、できるだけ多くの映像を集めることが映画製作中の目標だ。しかしアマゾン熱帯雨林のように予測不可能な状態では、撮影を続けるかどうかの判断を的確に下さなければならない。映画製作者たちが直面する状況をほとんどコントロールできない、極めて過酷な環境の中で、Nicosはこのジレンマに何度も悩まされた。
 「森の中を2日間歩いただけですっかり様変わりしてしまったり、いつ新鮮な食べ物や水が手に入るかわからないまま1週間も軍隊から隠れなければならないこともある」

 Nicosのいう通り、「最も困難なのは集中力と正気を保つこと」なのだ。

 この”アマゾン暗黒街”では、誰も重いカメラ機材を持ち運びたいとは思わない。特に湿度が常時85パーセントを超えるようなところではなおさらだ。
 「たくさん歩き、重い荷物を運ぶんだ。濡れて、泥だらけになって、川を渡る。持ち運ぶのはすべて絶対に必要で信頼できるものでなければいけない」
 「だから僕らは、最もシンプルで機能的な機材だけを持ってきたんだ」
 高温、多湿、そして危険なジャングルで高価な機材を運ぶ、この状況より酷いことがあるだろうか?それは機材のトラブルだ―辺りに何も無い場所では、どんな小さな失敗も致命的なものになる。
 「ハンモックが壊れたり、ヘッドランプが切れたりしたら酷いことになる。湿度は常に85パーセント以上だ。空からは毎日、まるで頭上から流れる川のように雨が降る。土や泥はあらゆる隙間に入り込み、灼熱のせいで放熱ファンは狂ったように回る。カメラの故障なんて最も避けたいことだ。それよりさらに最悪なのは―メモリーカードの故障でせっかく撮影したかけがえのない瞬間を台無しにしてしまうことさ!」

 「2017年以来、僕らはWiseのメモリーカードを地球上のすべての大陸で使ってきた。どんな気候や温度でも、期待を裏切られることはなかったよ。ファイルが破損していたり、データの転送に失敗するようなことは一度もなかった。それに感動してWise製品は僕のお気に入りになったんだ。CFast、SDカード、そして今使っているCFexpressもね。僕が作っているようなドキュメンタリーでは常にバックアップが取れるわけじゃないし、外付けハードディスクと一緒にノートパソコンを持ち歩くこともなかなかできない。Wiseのカードは当初から最大限の容量を備えているので、数週間とまではいかなくても、数日間は他の機器に頼ることなく撮影ができて幸運だった」

 「世界中を渡り歩きながら映画を作ることに熱意を持って取り組めるのは、Wiseの支えがあるからだと実感している。それは知りうる限りで最高の気分だよ」

関連リンク:The Nicos Argillet website 

本記事は、 Wise Advanced社 Webサイトからの翻訳です。
Copyright © 2022 Wise Advanced Co., Ltd. All rights reserved.  翻訳記事 Copyright © 2022 AMULET
Photos & Movie © Nicos Argillet