弊社では4スロットM.2 NVMe SSD用外付けケースの新製品「OWC USB4 Express 4M2」を間もなく発売開始いたします。今回はこの新製品の機能や性能についてご紹介いたします。
OWC USB4 Express 4M2の概要
OWC USB4 Express 4M2は、USB4に対応したM.2 NVMe SSD用外付けケースです。
幅60mm x 奥行178mm x 高さ139mm(本体のみ)とコンパクトなボディに、4枚までのM.2 NVMe SSDを搭載できます。
40Gbps(理論値最大)までの高速データ転送が可能なUSB4ポートへ接続することで、高速・大容量かつコンパクトなストレージ環境を構築できます。
OWC USB4 Express 4M2は、その名前からも想像できるとおり、Thunderbolt 3対応 SSDケース「OWC Express 4M2」(以下 旧4M2)の実質的な後継と言える製品です。
OWC USB4 Express 4M2の各機能をチェック!
それでは、OWC USB4 Express 4M2(以下 新4M2)の写真を見ながら各機能について確認して行きましょう。
まずは本体前面から。
前面は一切の機能を省いたフラットなデザインとなっています。
新4M2のポートや状態ランプは背面に集約されており、上から電源ON時に青色に点灯する電源LED、PCに接続時に緑色に点灯し、各SSDのアクセス時には点滅するアクセスLED、USBモード切替スイッチ、USB4 Type-Cポート、電源入力端子の順に並んでいます。
USBモード切替スイッチは動作速度を切り替えるスイッチで、通常は「USB4 40Gb/s」側です。IntelベースMacのThunderbolt 3ポートやWindowsパソコンのThunderbolt 3対応ポートに接続して、正しく認識されない場合は、「USB 3.2 10Gb/s」側に切り替えてください。
また、旧4M2では横置きでのご使用も可能でしたが、新4M2では、縦置きでの使用がメーカーから推奨されており、縦置き時の安定のため、製品に付属のスタンド(写真)は必ず取り付けてご使用ください。スタンドを取り付けることで新4M2とスタンドを合わせたサイズは80mm x 178mm x 148mmとなります。
OWC USB4 Express 4M2のいいところ
旧4M2から新4M2がどのように良くなったかを中心に新4M2のいいところを紹介していきます。
- 転送速度の向上:1スロットのデータ転送インターフェースが PCIe 3.0 x 1レーン(理論転送速度 8Gbps) からPCIe 4.0 x 1レーン(理論転送速度16Gbps)となり転送速度がスピードアップしました。この結果、SSD単体での転送速度はもちろん、2スロット(SSD2枚)から4スロット(SSD4枚)でのすべてのRAID0構成で速度が向上しています。(*装着するM.2 NVMe SSDのデータ転送インターフェースがPCIe 3.0の場合は、転送速度はPCIe 3.0 の速度(理論転送速度 8Gbps)となります。)
- 静音設計:動作音が静かになりました。新4M2の冷却方法は、写真をみればおわかりいただけるように、ファンレス M.2 NVMe SSDケースとして好評のOWC Express 1M2と同様の巨大なフィンによる冷却機構になっています。さらにデバイスの温度に基づいて冷却を調整するための40mm可変ファンが2個、前面側に搭載されていますが、大きなフィンの効果は絶大であり、ファンはほとんど動作することはなく、新4M2は無音といってよい状態で動作します。
旧4M2はSSDを上からファンで強制的に冷却するしくみで、このためファン音が常時、騒音として発生していましたから、音に悩まされていた旧4M2ユーザ様には朗報ではないでしょうか。 - 動作環境の拡大:旧4M2は Thunderbolt3対応でしたが、USB4対応となりました。規格上10Gbpsの転送速度に下がってしまいますが、USB 3.2 Gen2対応のみのUSB-Cポートでもご使用しただけます。USB 3.2 Gen 2 やWindowsでの Thunderbolt 3 接続では、USB4 40Gb/s | USB 3.2 10Gb/s スイッチを「USB 3.2 10Gb/s」側へ切り替えてください。
- M.2 NVMe SSDはお好みのファームファクター(Type2230/Type2242/Type2280)を自由に組み合わせて装着することが可能です。
ベンチマークで速度性能をチェック!
それではお待ちかねのベンチマークの報告です。
新4M2にM.2 NVMe SSDを4枚用意しを取り付けて、ベンチマークテストで性能を確認しました。
ベンチマークテストの環境は以下の通りです。
パソコン:Macbook Pro (14インチ、11月2024)Apple M4 Pro
OS:macOS Tahoe 26.0.1
M.2 MVNe SSD:WD Black SN850X NVMe SSD 1TB(データ転送インターフェース PCIe4.0 x 4、読込速度 7300MB/s、書込速度6300MB/s)
ベンチマーク:AmorphousDiskMark 4.0.1
RAID構成は macOSのディスクユーティリティにてRAID構成を設定。
まず、最初はSSD4枚によるRAID0構成での計測結果です。旧4M2でのSSD4枚によるRAID0の転送速度は2500〜2800MB/s 程度でしたから、大幅な速度アップとなっています。8Kビデオ編集、マルチカメラオフロード、大規模バッチ処理などのタスクに高速で信頼性の高い外付けストレージを必要とするクリエイター向けに設計した(メーカー)といわれるだけのことはあります。
旧4M2では計測値が750〜850MB/s程度とSATA SSDより若干速い程度でしたが、2倍近く転送速度がアップしています。
SSD 単体とSSD 4枚によるRAID0構成によるベンチマークテスト結果をみて、SSD 2枚でもSSD 3枚でも転送速度がそこそこ出るのでは? そこでSSD2枚および3枚によるRAID0構成でのベンチマークテストも計測してみました。上から順にSSD2枚によるRAID0構成、SSD3枚によるRAID0構成の結果です。
おぉ、SSD2枚でRAID0で旧4M2のSSD 4枚よりも速くなっていますし、SSD3枚でほぼSSD4枚と同等の転送速度が出ています!
これなら、高速な転送速度が求めらるデータはSSD3枚でRAID0を組んだドライブで読み書きし、残りの1枚はTimeMachineのバックアップ用ドライブとして使用するといった利用法も可能ですね。
高速大容量ストレージ環境をコンパクトに構築できるNVMe SSDケース!
4スロット仕様のM.2 NVMe SSDケースとして好評であったOWC Express 4M2のユーザ様の声を聞いて、転送速度の向上や静音設計といった改良を施したOWC USB4 Express 4M2、いかがでしょうか。
撮影現場での重要な映像のバックアップや複雑な 8K ビデオの編集といったデジタルビデオ映像素材の編集・保存用ストレージとして、高解像度写真の膨大なライブラリの精査など大容量データのバックアップ・デュプリケート環境でのご利用など様々なご用途にお使いいただける商品となっています。
以上、新しくなった4スロット仕様のM.2 NVMe SSDケース「OWC USB4 Express 4M2」のご紹介でした。本製品は2025年10月31日発売です!