現在好評発売中のプロダクションビデオレコーダーPIXシリーズのメーカーであるSOUND DEVICES社が、5月30日に「VIDEO DEVICES」というブランドネームを発表しました。


音響機器とビデオ機器のブランドを明確にすることで、これからビデオ機器にもより注力されるとのことです。
筆者的には、このことによりお客様が欲しいと思うようなビデオ機器が数多く出てくれればいいなと思いました。

さて、そんなPIXシリーズについて、PIX 220iとPIX 240iのファームウェアのバージョンが3月にv3.5.0、5月に最新バージョンv3.5.1へとアップデートがされており、少しずつ機能の追加と修正が行われています。
今回のブログでは、そのアップデート内容の中から筆者が便利だなと思った機能をご紹介したいと思います。
なお、アップデートにてファームウェアのバージョンをv3.5.0以上にした場合、v3.5.0以前のファームウェアで撮影した映像データについては、PIXのモニターで正常に再生出来なくなりますのでご注意下さい。

◯アップデート内容 その1
動画撮影時に電源が落ちた場合、電源が落ちた地点から最大30秒間の撮影データが失われるが、失われた映像より前の撮影データを回復させる(リカバリー機能)。

上記に機能については、撮影中のバッテリ切れや電源コードの接続が外れてしまった場合に非常助かる機能だと思います。
今回機能を確かめるため、撮影中、実際に電源ケーブルを抜いてデータが回復されるのかどうか試してみました。
※今回、検証のため撮影中に電源ケーブルを抜きましたが、このような行為は機器の故障に繋がる可能性があるため行わないようお願い致します。

・検証内容
撮影中、特定の時間でPIX220の電源ケーブルを抜いて電源を落とす。
その後、電源ケーブルを再接続し、電源を入れてPIX220のFILE LISTからファイルの撮影時間とファイルの再生の可否を確認する。

・検証結果
電源コードを抜いた時間については、液晶画面に表示されている記録時間です。
ファイルの記録時間については、電源コードを抜いた後、再度PIX220の電源を入れ直してファイルの詳細から確認したファイルの記録時間となります。

電源コードを抜いた時間 → ファイルの記録時間
1回目の撮影 00:00:30:00 → 00:00:29:63
2回目の撮影 00:00:59:00 → 00:00:29:60
3回目の撮影 00:01:45:00 → 00:01:29:59
4回目の撮影 00:02:15:00 → 00:01:59:55
5回目の撮影 00:02:31:00 → 00:02:29:55

テストの結果、アップデート内容のとおり、失われた部分の撮影データは全て30秒以内に収まっており、映像の再生も正常に行うことが出来ました。

◯アップデート内容 その2
最長10時間までファイル分割なしでの撮影が可能になった。

収録可能時間は、使用するSSDの容量や録画フォーマット形式により変わりますが、ファイル分割の設定を変更することにより最長10時間までファイル分割なしでも撮影できるようになりました。
このことにより、従来気にしていたファイルの連結や連結部分のことを気にしないで、編集作業に入れるのは便利だなと思いました。
試しに、PIX220にてProRes 422LT 100Mb/s 8bitで10時間撮影した映像データ(429GB)をEDIUS 7 (ver.7.30.5680)で取り込んでみました。

上記写真のとおり、特に問題なく映像データを取り込むことができ、Time outの時間も10時間で認識されていることを確認しました。(なぜか、右上のファイルのビンwindow上の表示では10時間より少ない時間で表示されました。)

なお、ファイル分割をしないで撮影を行う場合、以下の2点だけ注意点があります。
1ファイルあたりの容量が非常に大きくなるため、古いOSでは映像ファイルを取り扱えない可能性があります。
10時間撮影した時点で録画が自動停止します。

◯アップデート内容 その3
音声メーターの位置を変更できるようになった。

ディスプレイメニューの「Audio metering」の項目から音声メーターの位置を変更できるようになりました。
音声メーターの位置を変更した場合、下記のような感じになります。

<<メーターなし>>

<<メーター上(太い)>>

<<メーター上(細い)>>

<<メーター左>>

<<メーター右>>

<<メーター下>>

上記のとおり、自分の見やすい場所に音声メーターの位置を変更することがより撮影がしやすくなると思います。
特にメーターの上部については、太さを変更することができるため、大分印象が変わると思います。

この他にも様々な機能や修正がv3.5.0以降のファームウェアアップデートで追加されております。
詳しく内容を知りたい方は、こちらのページでご確認下さい。

PIXシリーズについては、音響メーカーが製造したレコーダーということで、筆者的に音に拘ったレコーダーとしてはナンバー1だと思います。
このため、音にも拘りを持つビデオユーザーの方には、是非一度使って頂きたいと思います。

今回ブログでご紹介させて頂きました機能につきましては、実際に実機を触ってご確認できるように8月4日(月)〜8月22日(金)までの期間、弊社店頭にて機器の展示を行います。
少しでもご興味のある方は、是非弊社店頭にお越し下さい。