4月17日より販売開始となったThunderbolt 3 対応4ベイ2.5インチドライブケース「OWC ThunderBay 4 mini(Thunderbolt 3)」。この製品の特長の一つはMac向けソフトウェアRAID構築アプリSoftRAID XTあるいはSoftRAID Lite  XTのライセンスが付属していることです。

今回のブログでは、このMac向けソフトウェアRAID構築アプリSoftRAID XTを使用して、macOSに標準で付いているディスクユーティリティと使い勝手やアクセス速度を比較したいと思います。
(ブログ「Thunderbolt 3 対応4ベイ2.5インチドライブケースOWC ThunderBay 4 mini(Thunderbolt 3)販売開始」でOWC ThunderBay 4 mini(Thunderbolt 3)の簡単な紹介しておりますので、ご覧ください。)

ディスクユーティリティーとSoftRAID XT / SoftRAID Lite  XTの違い

masOSには標準で「RAIDアシスタント」がついた「ディスクユーティリティ」がインストールされています。そこで「ディスクユーティリティ」「SoftRAID XT」「SoftRAID Lite  XT」の違いを表にまとめてみました。

  ディスク
ユーティリティ
SoftRAID XT SoftRAID Lite XT
RAID機能 RAID 0(ストライピング)
RAID 1(ミラー)
連結(JBOD)
RAID 1+0  (*)
RAID 0(ストライピング)
RAID 1(ミラー)
RAID 4、RAID 5、RAID 1+0
RAID 0(ストライピング)
RAID 1(ミラー)
ディスクの認定 (*) ×
ディスクモニター  (*) ×
メール送信                   (*)  × ×
  • ディスクユーティリティの RAID 1+0 は、一旦、RAID 1のドライブを2つ作り、この2ドライブをRAID 0にします。
  • ディスクの認定:ディスクを使用開始前にきちんと使用できるかテストする機能
  • ディスクモニター:ディスクとボリュームのエラーを監視する機能。バックグラウンドで実行される。
  • メール送信:ディスクまたはボリュームの1つに問題が見つかったときに、電子メール警告を送信する機能

SoftRAID XT を使うには…

OWC ThunderBay 4 mini(Thunderbolt 3)に付属するのは SoftRAID XT/SoftRAID Lite  XTのライセンスのみです。ご利用には、ダウンロードしてからインストールが必要です。ご利用までの手順はSoftRAID XT/SoftRAID Lite XT クイックガイドをご覧ください。
(注)SoftRAID XT/SoftRAID Lite  XTで初期化(フォーマット)したディスク(SoftRAIDボリューム)をディスクユーティリティで処理されると、ディスクユーティリティが異常停止したままの状態になってしまいます。SoftRAIDボリュームをディスクユーティリティで処理される場合には、必ずSoftRAID XT/SoftRAID Lite  XT のメニューにある「ボリュームを変換」を使って、「SoftRAIDボリューム」から「Apple Disk Utilityボリューム」に変換してからご使用ください。

SoftRAID XTのRAID 0のベンチマーク

まず、RAID 0のベンチマークの比較からはじめていきます。ベンチマーク計測環境はOWC ThunderBay 4 mini(Thunderbolt 3)を2.5インチ SATA SSD(Crucial MX500 500GB)4台の構成にして、パソコンがMacBook Pro(15-inch, 2018)、macOS Mojave 10.14.6、ベンチマークソフト 「AJA System Test Lite 12.4.3」を使用しています。

ディスクユーティリティ RAID 0(SSD)

SoftRAID RAID 0(SSD)

 

 

 

 

 

 

RAID0でのベンチマーク計測結果は上の通り、左がディスクユーティリティ、右がSoftRAIDです。参考までにSSD単独(Non-RAID)でのベンチマーク計測をしてみましたが、下のようにあまり差がありませんでした。

ディスクユーティリティ Non-RAID(SSD)

SoftRAID Non-RAID(SSD)

 

 

 

 

 

 

SoftRAID XT のRAID 0レベルはディスクユーティリティよりもデバイスのアクセス性能を引き出したようです。特に書き込みでの速度差は作業をする上では大きな差となるのではないでしょうか。さらに、SoftRAID XTにはディスクモニター機能が組み込まれます。RAID 0は高速な大記憶容量が得られますが、1つでも故障するとデータが保持されない欠点がありますから、少しでも早めに異常の察知を可能とするディスクモニターの存在は頼もしいものとなるはずです。

SoftRAID XTのRAID 1のベンチマーク

ディスクユーティリティ RAID 1(SSD)

SoftRAID RAID 1(SSD)

 

 

 

 

 

 

RAID 1でのベンチマークの計測結果です。SoftRAID XTのRAID 1はディスクユーティリティと比べ、読み込みが+200MB/s以上、書き込みが+140MB/s以上とかなり高速になりました。データの保護を重視する場合に採用したいRAID 1ですが、この速度アップはうれしいですね。

SoftRAID XTのRAID 1+0のベンチマーク

ディスクユーティリティ
RAID 1+0(SSD)

SoftRAID RAID 1+0(SSD)

 

 

 

 

 

 

データの保護かつ高速化を狙うRAID1+0でのベンチマークの計測結果です。RAID 1に比べるとベンチマークの結果では、ほとんど差がありませんでした。アクセス速度の差はあまりありませんでしたが、ディスクユーティリティでは、最初のステップとしてRAID 1のボリュームを2つ作成し、それらをRAID 0にするという結構手間のかかるプロセスに対し、SoftRAID XTでのRAID 1+0 レベルを構築するまでのプロセスは1プロセスで構築完了。簡単でした。SoftRAID Lite XTではRAID 1+0レベルができないのは残念です。

SoftRAID XTのRAID 4、RAID 5のベンチマーク

SoftRAID RAID 4(SSD)

SoftRAID RAID 5(SSD)

 

 

 

 

 

 

RAID 4、RAID 5レベルのベンチマークの計測結果です。RAID4、RAID5レベルはSoftRAID XTのみ構築できるレベルです。ディスクユーティリティやSoftRAID Lite XTではできません。ソフトウェアRAIDなのでパリティ処理をする分、書き込み速度がそれほど速くならないのは致し方ありません。それでもRAID1よりはアクセス速度が速くなっていますし、データ保全の観点とRAID1よりも記憶容量が大きくなる点で大容量を扱う場合にはおすすめのレベルです。
RAID 4とRAID 5の違いは、パリティデータをRAID 4は専用ディスクに記憶するか、RAID 5では各ディスクに分散して記憶するかの違いとなります。RAID4は専用パリティディスクが書き込み際、他ディスクより負荷が集中してしまうのが欠点ですが、読み込む際には専用パリティディスクを読み込まない分、読み込み速度が速くなる場合が多くなるようです。アプリ開発会社ではSSDにはRAID 4レベルの方が向いているとしています。

HDD4台でのベンチマーク計測結果

次にデバイスを5TBのHDD(Seagate Barracuda 5TB ST5000LM000)に換装してベンチマークを計測しました。パソコン、ベンチマークソフトは同じ、MacBook Pro(15-inch, 2018)、AJA System Test Lite 12.4.3。OSはmacOS High Sierra 10.13.6 を使っての計測です。計測結果は以下の通りで、HDDでもSSDと同じような傾向の計測結果が得られました。

OWC ThunderBay 4 mini(Thunderbolt 3)にSoftRAID XT / SoftRAID Lite XTはお薦めです

デジタルビデオ映像素材の編集・保存用ストレージ、大容量データのバックアップ・デュプリケート環境などなど大記憶容量を目的とされるユーザ様には、小型サイズ(幅96mm x 高さ117mm x 奥行191mm)でありながら2.5インチSATA HDD/SSDの4台装着による大容量データの収容を可能とするOWC ThunderBay 4 mini(Thunderbolt 3)は魅力的な製品だと思います。これをさらに魅力的にするのが、SoftRAID XT / SoftRAID Lite XTです。ディスクユーティリティーよりも高速性能を高め、ディスクモニターによる信頼性、動作さえたままデバイス交換可能にする可用性をOWC ThunderBay 4 mini(Thunderbolt 3)に与えています。大容量データを取り扱うユーザ様に是非ともお薦めしたい商品です。

ご興味、ご関心がありましたらお気軽にお問い合わせ下さい!

(注)OWC ThunderBay 4 mini(Thunderbolt 3)には、「SoftRAID XT」のライセンスが付属する製品と「SoftRAID Lite  XT」ライセンスが付属する製品がありますのでご購入の際ご注意ください。

OWC ThunderBay 4 mini(Thunderbolt 3) SoftRAID XT ライセンス付属           ¥56,000(税込)
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