最近お客様より「QuattroPodをデジタルサイネージに使えますか?」とのお問い合わせをいくつかいただきました。
デジタルサイネージは、街中や駅でもよく見かけるようになりましたが、今回は「A4サイズで作成した文章を、見やすいようにディスプレイいっぱいに表示させる」ことを目標にデジタルサイネージっぽいことを試してみたいと思います。
結論としては結構うまくできました。

具体的にどのように作るか?

  • 画面は縦長の表示にする
  • 映像出力ケーブルの敷設は面倒なので、無線でつくる
  • いちいちページをめくるのは面倒なので、スライドショーにしたい
  • 何度も表示させたいので、ページが終わったらループさせたい

という方針で、送信機1台・受信機1台がセットになり、小型で軽くなったQuattroPod Mini スターターパックと、同じく小型で汎用性の高いRaspberry Piとの組み合わせを思いつきました。

QuattroPodシリーズには4K対応のStandardもありますが、デジタルサイネージ用のディスプレイの解像度は1920×1080ピクセル(フルHD)のものが多いので、今回はフルHD対応のQuattroPod Mini スターターパックにしました。

Raspberry Pi(ラズベリーパイ)とは?

思いっきり簡略化して言うと、ちっちゃなパソコンみたいなものです。もともとは教育用に作られたもので、名刺サイズの基盤の上に、CPUやらUSBやらが搭載されています。一枚の基板の上にパソコンの機能が凝縮されており、シングルボードコンピュータ(SBC)と呼ばれるものの一種です。
Raspberry Piには様々な種類があります。Raspberry Pi zero では少し力不足かな、Raspberry Pi 4 では力ありすぎ。
ということで、今回はRaspberry Pi 3Bにしました。あとは、手元にあった2と3Bと3B+を、「どれにしようかな 神様の言う通り」にしてみたところ、3Bになりました。

◇目的

QuattroPod Mini スターターパックとRaspberry Piの組み合わせで、A4サイズのデータをディスプレイの画面いっぱいに、5秒ずつスライドショー&リピート再生で表示させます。

◇動作環境

QuattroPod Mini スターターパック
1T1Rとは、送信機(トランシーバー)が一つ、受信機(レシーバー)も一つのセットです。送信機と受信機の間は5GHz帯の無線接続です。受信機をディスプレイに接続し、送信機をパソコンやスマートフォンの端末に接続して使います。

Raspberry Pi 3 Model B(以降、RasPi3B)
今回は映像だけですが、音声もQuattroPod経由で、液晶ディスプレイへ出力可能です。(HDMI音声出力対応モニターの場合)

24インチ液晶ディスプレイ 1920×1080ピクセル(フルHD)
解像度は、1920×1080のいわゆるフルHDのディスプレイです。
ディスプレイ側に、縦横に画面を回転できるピボット機能を持っているものもありますが、今回は、RasPi3B側で縦表示にしました。

RasPi3Bの設定

・OSはRaspberry Piに正式対応しているRasbianを使いました。
ディスプレイの画面縦表示は、OSの設定変更で対応しています。

(1)縦表示の設定
/boot/config.txt に、下記追記します。

display_rotate=1


(2)画面表示のスリープ設定解除やスクリーンセーバーの無効
以下の設定を行いました。

1)スクリーンセーバーの無効化
/etc/xdg/lxsession/LXDE/autostartに、下記追記します。

xset s off
xset s noblank
xset -dpms

2)スリープ設定を解除
/etc/lightdm/lightdm.confに、下記追記します。

xserver-command=X -s 0 -dpms

(3)PDFスライドショー

アプリケーションをインストールします。

$ sudo apt -y install okular

インストール出来たら、okularを起動して設定を行います。
1) ページ更新の間隔設定
「Advance every」にチェックして、間隔を「5 seconds」にしました。
2) ループ設定
「Loop after last page」にチェックしました。

接続イメージ
RasPi3⇒QuattroPod Mini 送信機
|(無線接続)
受信機⇒液晶ディスプレイ
RasPi3BとQuattroPod Mini 送信機は、送信機に付属している短いHDMIケーブルでつなぎました。このHDMIケーブル、今回のような使い方にはとても使い勝手が良いです。

 

QuattroPod Mini 送信機は省電力なので、モバイルバッテリーでの電源供給も可能です。例えば、手元にあったAnker PowerCore Essential 2000に送信機をつないだところ、12時間以上動かすことができました。(送信機の消費電力は、5V1A)

受信機もモバイルバッテリーでの電源供給が可能です。
そのほか、ディスプレイ側で5V2A出力対応のUSBポートがあれば、そこから受信機の電源を取ることもできます。
そうすると何も考えることなく、長時間稼働します。
さらに受信機にはVESAマウントの穴がありますので、ディスプレイ背面へのマウントも可能です。

◇検証項目

1.画面縦表示
1-1.24インチ液晶ディスプレイを縦置きして、Raspberry Piの出力画面を縦表示可能か?
1-2.上記が可能と判断できた場合に、QuatroPod Mini スターターパックを通して、縦表示可能か?

2.コンテンツ
2-1.PDFスライドショー
指定したPDFファイルを、順番通り、繰り返し表示可能か?
2-2.YouTube動画
全画面表示可能か?(ブラウザは、Chroniumを使用)
YouTube動画を、順番通り、繰り返し再生可能か?
2-3.動画データ表示(再生アプリは、VLCを使用)
動画の縦画面でも、順番通り、繰り返し再生は可能か?

◇結果

1.画面縦表示
前述しましたが、ディスプレイの機能(ピポット機能)で縦表示可能なものもあります。
今回は、RasPi3B側の設定で、縦表示としました。
1-1.可能
1-2.可能

2.コンテンツ
2-1.可能
標準アプリでは、スライドショーの機能が見当たらなかったのでokularというアプリケーションをインストールして、スライドショーを確認しました。

2-2.縦画面での全画面表示は、NG
YouTube動画の視聴は問題ありませんでした。
液晶ディスプレイ(HDMI出力)からの音声出力できました。ただし、縦画面では全画面表示はできませんでした。
横画面であれば、全画面表示は可能でした。
2-3.可能
動画を順番通り、繰り返し再生できました。

◇おわりに

QuattroPod Mini スターターパックとRaspberry Piの組み合わせは、思っていた以上に手軽にできて、街中で見かけるデジタルサイネージっぽいものができたと感じました。


デジタルサイネージには、セットトップボックス(STB)と呼ばれるコンテンツをディスプレイに映す専用のコンピュータがあるそうです。
結果的に今回は、このSTB部分にRaspberryPiを使ったことになります。既存のデジタルサイネージのSTBとディスプレイの間に、QuattroPod Mini スターターパックを組み合わせてみるのも面白そうです。


今回は1画面のみを表示させましたが、Quattro Podを使えば、一つのディスプレイに最大4画面まで一度に表示できます。その場合は送信機の増設が必要になりますが、弊社ではオプションとして2種類の送信機をご用意しています。

写真左から、QuattroPod Mini 送信機、受信機、QuattroPod Standard 送信機

QuattroPod Mini スターターパック、QuattroPod Standardどちらでも使用可能ですので、ご興味のある方は、ぜひお問い合わせください。

デジタルサイネージについて、さらに検索してみるとネットワーク接続型やクラウド経由のものなど、コンテンツの配信にいろいろな工夫をされているようです。その中で構成案の一つとして、お求めやすくなったQuattroPod Mini スターターパックを加えてみてはいかがでしょうか?

◇今回の検証でかかった費用(工賃は含まず)

価格は常に変動しますが、今回は約84,400円でデジタルサイネージっぽいものを構築できました。

内訳:
QuattroPod Mini スターターパック 一式 52,900円
・送信機 1台
・受信機 1台
・HDMIケーブル 長短それぞれ、1本(計2本)
Raspberry Pi 3B一式
・Raspberry Pi 3B本体 5,775円
・microSD(16GB)カード 500円
・Raspberry Pi ACアダプター 700円
・Raspberry Pi ケース 500円
24インチ液晶ディスプレイ(HDMI入力) 約20,000円
モバイルバッテリー(ANKER PowerCore Essential 20000) 4,000円
キーボードとマウスはOSの設定時のみ社内のものを使用しました。HDMIケーブルはQuattroPod Mini スターターパック付属品を使用しました。

モバイルバッテリーを使わずに付属の電源アダプタで給電し、ディスプレイを既にお持ちであれば、ここからさらに費用を抑えることもできます。

ワイヤレスHDMIエクステンダー QuattroPod Mini スターターパックは6月2日(火)発売予定です!
QuattroPod Mini スターターパックQuattroPod シリーズ
送信機のみの単品販売も開始致します!
QuattroPod Standard 送信機QuattroPod Mini 送信機

※2020年10月19日追記
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QuattroPod Standard タッチパネルディスプレイセット (税込¥ 156,000
QuattroPod Mini タッチパネルディスプレイセット(税込 ¥88,000)

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