最近、やっとNVIDIA最新世代の GeForce RTX 40シリーズが入手できるようになってきました。好評販売中のThunderbolt 3対応 PCI Express 外付け拡張ボックス AKiTiO Node Titanを取り扱う弊社としても動作確認が必要であろうと、日頃お世話になっている株式会社 エルザ ジャパン様に「GeForce RTX 40シリーズの検証をしてみたいのですが。」とお願いしてみたところ、「ボードをお貸ししますよ。」と大変ありがたいお返事をいただきました。早速、お借りしたGeForce RTX 40シリーズのグラフィックボードを使用して動作検証をしましたのでご報告いたします。
今回、株式会社 エルザ ジャパン様のご厚意でお借りすることになったのは、NVIDIA® GeForce RTX™ 4070 Ti を搭載したグラフィックボード「ELSA GeForce RTX 4070Ti ERAZOR X」です。詳しい仕様につきましては、エルザ ジャパン様のホームページにてご確認ください。
https://www.elsa-jp.co.jp/products/detail/geforce-rtx-4070-ti-erazor/
(注)エルザジャパン様によると、NVIDIA® GeForce RTX™ 4070 Ti を搭載したグラフィックボードには、
・「ELSA GeForce RTX 4070Ti ERAZOR X」
・・・ELSA ONLINEやアマゾン等オンラインショッピングで購入可能
・「ELSA GeForce RTX 4070Ti ERAZOR 」
・・・パソコンショップ等で購入可能
の2種類があり、違いはXのある方が オーバークロックをしており、若干動作クロックが高いですが、基本的には同じ製品で、カード寸法なども同じとのことです。
それでは、お借りしたELSA GeForce RTX 4070Ti ERAZOR Xを検証していきましょう。
Node Titanにボードが収納可能か?
まずは、ELSA GeForce RTX 4070Ti ERAZOR Xが Node Titanにきちんと収納できるのか確認です。
AKiTiO Node Titanの収納できるボードサイズはフルレングス/フルハイト、2.5スロット占有タイプまで対応となっています。
スペック表によると ELSA GeForce RTX 4070Ti ERAZOR Xは297mm(長さ) x 118mm(高さ) x 42mm(厚さ)/ 2スロット占有となっており、スペック表を見る限りは問題なさそうです。
実際に弊社検証で使用しているMSI GeForce RTX3070 Ti VENTUS 3X 8G OC(以下 MSI GeForce RTX3070 Ti)と並べて比較してみると、共に冷却性能を高めるため3連ファンを採用しており、長さ方向はほぼ同じ。約300mm弱なので長さ方向に関しては余裕で収まるサイズであることがわかります。
(上:MSI GeForce RTX 3070Ti、下:ELSA GeForce RTX 4070Ti)
高さ方向も検証用のMSI GeForce RTX 3070Tiよりもブラケットより上部のはみ出しが少ないですから問題ないようです。
厚さ方向はどうでしょうか。こちらも並べてみました。
(左:MSI GeForce RTX 3070Ti、右: ELSA GeForce RTX 4070Ti)
ELSA GeForce RTX 4070Ti ERAZOR X の特筆すべき点は、グラフィックボードの厚みです。
ベンチマークの結果では性能がアップしているのに、グラフィックボードの厚みが2スロットとコンパクトになっています。素晴らしい!
これであれば、問題なくNode Titanに収納できそうです。
実際に収納してみました
早速、Node Titanに取り付けてみましたが、厚みが2スロットしかないので、作業スペースに余裕があり、Node Titanに簡単に組み込むことができました。
上記の写真でも分かるとおり、まだ若干の隙間がありますので、もう少し大きめのファンがついている他のGeForce RTX 40シリーズのグラフィックボードも入るかもしれませんね。
GeForce RTX 40シリーズの電源コネクタ
次に電源に関する確認です。GeForce RTX 40シリーズで注意が必要なのは電源コネクタです。
ELSA GeForce RTX 4070Ti ERAZOR XをはじめGeForce RTX 40シリーズの一部のグラフィックボードでは、電源コネクタとして12VHPWRコネクタが採用されています。
一方、Node Titanの補助電源は8PinのPCIe用電源供給コードが2本用意されているだけですので、このままでは電源供給ができません。 ありがたいことにELSA GeForce RTX 4070Ti ERAZOR Xには、変換アダプター 2x PCIe 8pin to PCIe 16pinが付属していました。
(なお、変換アダプターでもPCIe 8pin3本に分岐しているものが付属しているグラフィックボードもありますが、電源不足になる可能性がありますので、Node Titanではご利用になれません。)
この12VHPWR 変換アダプターを利用して無事に電源も接続できました。
接続するパソコンの再確認(Thunderbolt3/Thunderbolt4対応ポートが必須)
お借りしたグラフィックボードは物理的には問題なくNode Titan内に収納できることが確認できました。電源供給もOKです。後は接続するパソコンです。接続前にもう一度パソコンの仕様をおさらいしておきましょう。
AKiTiO Node TitanはパソコンとThunderbolt3で接続する仕様となってします。よくパソコンに認識されないというお問い合わせをいただきますが、多くがThunderbolt3/Thunderbolt4非対応のUSB-Cポートに接続しているのが原因です。まずは、接続されるパソコンがThunderbolt3/Thunderbolt4に対応しているか、取扱説明書もしくはメーカーのホームページなどで確認をしてください。
また、Thunderbolt3もしくはThunderbolt4対応と記載されていても、すべてのUSB-Cポートが対応ではなく、その内の1つだけが対応しているというパソコンもあります。Thunderbolt対応ポートには横に雷マークが付いているので参考にしてください。(ただし、雷マークがない場合もありますので、取扱説明書にて確認してください。)
(左がThunderbolt対応(雷マークあり)、右が非対応)
今回の検証に準備したパソコンは、「ThinkPad T14 Gen 4」(lenovo製)でThunderbolt4対応ポートが2つあるモデルです。
(左、右ともThunderbolt対応(雷マークあり))
簡単なスペックは、以下のとおりです。
CPU:13th Gen Intel Core i5-1335U 1.30GHz
メモリ:16 GB DDR5-5600MHz (オンボード)
SSD:256 GB SSD, M.2 PCIe-NVMe (OPAL対応)
OS:Windows 11 Home 64bit version 22H2
あとは、ThinkPad T14 Gen 4にNVIDIA GeForce RTX 4070Tiのドライバーをインストールしましたら、正常にeGPUとして認識されました。
また、今回は順調にELSA GeForce RTX 4070Ti ERAZOR Xを認識してくれましたが、グラフィックボードを認識しない現象が出る場合があります。その解決策としては、
- 接続するパソコンのBIOSやThunderbolt driver、グラフィックス・ドライバー、Windows等を最新バージョンにアップデートする。
- パソコンとNode Titanを接続ケーブルをNode Titanに付属のケーブルを使用する。
- 接続するパソコンおよびNode Titanの電源を壁のコンセントから直接引く。
- 内蔵のディスプレイアダプターをデバイスマネージャーで「デバイスを無効にする」を選択。
等を実施し再起動すると解決する場合がありますので、お試しください。
ベンチマーク測定すると、やはり GeForce RTX 4070Tiは速い
ELSA GeForce RTX 4070Ti ERAZOR XがNode Titan で動作することが確認できましたので、早速、恒例のベンチマーク計測を行ってみました。
4K、8Kモニターをご利用のユーザも増えてきましたので、今回は4K解像度でベンチマークを計測してみました。
まずは、定番の3Dベンチマーク「3DMark」のスコアです。性能面でも弊社検証機として活躍しているMSI GeForce RTX™ 3070 Ti を使って比較してみます。(ベンチマーク結果の画像は、左がMSI GeForce RTX3070Ti、右がELSA GeForce RTX4070Ti ERAZOR Xです。)
Time SPY Extreme(4K解像度)での結果です。
(参考:ThinkPad T14 Gen 4本体単独の場合のスコアは「430」)
ELSA GeForce RTX4070Ti ERAZOR Xの計測時にCPUのなんらかの処理が行われたためか、CPUのスコア悪く総合スコアが思ったほど伸びませんでしたが、グラフィクスのスコアをみると約40%増の大幅なスコアアップしています。
次に、ゲームでの性能はどうかみるために、「ファイナルファンタジー14 暁月のフィナーレ」のベンチマーク行ってみました。「4K 最高品質」での結果は以下のとおりです。
(参考:ThinkPad T14 Gen 4本体単独の場合のスコアは「624」で「動作困難」)
「快適」から「とても快適」と大分スコアが上がりました。
このくらい差があると、実際のゲームでも違いが感じられると思います。
続いて、「ファイナルファンタジー15 ベンチマーク」の結果です。
「4K 高品質」での結果です
(参考:ThinkPad T14 Gen 4本体単独の場合のスコアは「373」で「動作困難」)こちらも、やはり「やや快適」から「快適」とベンチマークスコアが大きく上がりました。
「ファイナルファンタジー15 」はNVIDIA DLSSに対応ということなので、DLSSをONにして計測してみました。4K高画質、DLSS OFFの時のスコア「6961」からスコア「8848」と30%近くアップしています。画面を見ていてもスムーズになっているのがわかりました。
最後にレンダリング性能の計測ということでcinebench2024での計測結果になります。
(参考:ThinkPad T14 Gen 4本体単独の場合、GPUがIntel UHD Graphicsでcinebench2024の最低動作環境を満たさないため計測不可)
スコアが「9223」から「16333」と約80%アップとGeForce RTX4070Tiの高性能ぶりを見せつけられました。
どうでしょう。さすが GeForce RTX 4070Ti ということで好成績を記録し、4Kモニターによるゲームも可能といえそうです。
ノートPC単独ではファイナルファンタジーのようなゲームを実行するのは「困難」ですが、Thunderbolt 3/Thunerbolt4ポート搭載のノートPCをお持ちであれば、AKiTiO Node Titan+GeForce RTX 30シリーズで「快適」な環境でゲームをできます。4KモニターでとなるとGeForce RTX 30シリーズではちょっと荷が重くなりますが、GeForce RTX 40シリーズでしたら「快適」になります。
Thunderbolt 3/Thunerbolt4ポート搭載のノートPCでGeForce RTX 40シリーズを使用してみたいと方は、是非「AKiTiO Node Titan」でのご使用をご検討してみてください。
AKiTiO Node Titanは、以下のショッピングサイトからご購入が可能です。
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