2013年12月より取扱い開始予定のThunderboltのケースをオーディオアプリケーションのProToolsで使用してみました。

ベンチマークでは分からない実際のSSDとThunderboltケースを組み合わせた次世代のストレージのスピードがだいぶ分かりましたよ。

ProToolsとは商業音楽スタジオで広く使用されているアプリケーションで、音楽のレコーディングをしたりミックスしたりするDTM/DAWソフトです。

DTM/DAWソフトはAvid ProToolsの他に代表的なものとして
Steinberg CUBASE/Nuendo
Apple Logic Pro
MOTU Digital Performer
ableton Live
Presonus Studio One
といったものがあります。

DTM/DAWは最近のボカロ人気もあって録音やミックスだけではなく、自作の曲を楽しみたいという方にも広まってきていますね。

以前よりパソコン内蔵のハードディスクやSSDのスピードが上がっているので少量のトラック(録音する音の数)ではパソコン内蔵のストレージにオーディオ録音することも不可能ではないですが、やはりオーディオトラックの数が10トラック以上だったり、より高音質で録音する場合は、システムの安定性のため起動ドライブとは別のストレージを用意してそちらに録音することが必要となってきます。

特にMacの環境では2013年12月発売のMac Proまでもストレージは一つしか内蔵できない仕様となり、高音質、高画質が進むこれからのオーディオ編集やビデオ編集では容量、スピード両方の意味で外付けのストレージが必要となってきます。

MacBook Pro RetinaやMacBook Air、次世代Mac ProはSSDが標準のストレージとなっていて、あまり録音や録画で大容量のデータの書き込みが頻繁に続くとSSDの寿命も気になりますしね。

今回取り扱いを開始するThunderboltケースはこちらです。

アミュレットでは検証済みのSSDもしくはハードディスクとThunderboltケーブルのセット販売となります。ケースとストレージの相性問題の部分は心配しなくて良いので安心ですね。

MacBook Pro Retina Core i7 2.7GHzモデルにProTools11をインストールしてみました。

Thunderboltケースには240GBのSSDが搭載されています。

どれくらいのスピードなのか分かりやすくするためFireWire 800接続 2.5インチのハードディスクが搭載された外付けケースと比較してみました。
FireWire 800のハードディスクはAppleのThunderbolt-FireWire アダプタを使用してRetinaモデルと接続しました。

ProToolsに付属しているデモセッションを使用して検証しています。
オーディオトラックが31トラック、インストゥルメントトラックが4トラック仕様されているセッションです。

このデモは24bit 44.1KHzという音質で収録されていますが、多くの場面で使われているであろう録音で標準的な高音質24bit 48KHzと、どこまで再生できるのかを試すためネイティブ環境で現実的な最高音質32bit froat 96KHzに変換して検証を行いました。

では検証を行って行きましょう。
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ProToolsの発売元の推奨動作環境ページでは2013年12月現在外部ハードディスクへの録音を推奨しています(SSDへの録音は推奨されていません)。以下、SSDでの検証はアミュレット独自のものとなり、ProToolsでの使用を保証するものではございませんのでその点ご了承下さい。
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検証内容としては

(1)デモセッションそのまま31トラックのディスク負荷がどれくらいか確認

(2)その後ステレオのオーディオファイルを置いたトラックを増やして行き何トラックまで再生できるかという検証を行いました。

24bit 48KHzセッションの検証
・FireWire 800接続 ハードディスクのストレージ
31トラックのディスク負荷は11~14%程度となっています

その後ステレオトラックを増やして行くと
プラス10トラックでこの程度。ディスクの負荷は30%となっています。

最終的にはプラス25トラック目、合計56トラックで再生が不可能となりました。
ただしプラス20トラックを超えた辺りからディスク負荷メーターが90%を超え始めます。
多くのトラックを使いたい方はちょっと少ないなと感じるかもしれません。

・Thunderbolt接続 SSDのストレージ
31トラックのディスク負荷は1~2%程度となっています。
FireWire 800 ハードディスクのストレージより負荷が明らかに低くなっています。

その後、トラックを足して行きましたがProToolsで48KHzで使用可能な最大トラック96トラックまで増やしましたが全く余裕で再生可能でした。

32bit 96KHzセッション
・FireWire 800接続 ハードディスクのストレージ
31トラックのディスク負荷は23%程度となっています
デモセッションはモノラルトラックがほとんどなので、まだ再生できそうです。

その後増やして行くと9トラックの計40トラックまでプラスできました。96kHzのステレオファイル追加なので追加の度にどんどん負荷が高くなっていきました。
負荷が高くなると再生/停止のレスポンスが悪くなり、一度停止して再度、再生したりするのがカクカク動く印象です。

ディスクスピードが追いつかないとのエラーが発生し再生が止まってしまいます。

・Thunderbolt接続 SSDのストレージ
31トラックのディスク負荷は4%程度と32bit 96kHzの高負荷なセッションですがかなり余裕を持って再生ができています。

その後、トラックを足して行きましたがProToolsで96KHzで使用可能な最大トラック48トラックまで増やしましたが問題なく再生でき、負荷も9~10%となっています。

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まとめ

ProToolsで96kHzの高音質セッションで録音やミックスを行いたい場合、従来のハードディスクでは複数ハードディスクを用意し、オーディオの再生録音するディスクを振り分ける必要があり、個人ではなかなかその環境を用意するのが難しい状況でした。

しかし、今後のThunderbolt接続、SSDのストレージを使えば高音質でトラックの多いセッションでも余裕を持って再生できると言えそうです。

最後にステレオトラックで32bit 96kHzを48トラックとこの検証環境でできる一番重い負荷をかけてみましたがディスク負荷は14~15%といったところでまだまだ余裕のありそうな状態でした。

MacBookシリーズの高性能化に伴いSSD Thunderboltストレージがあればモバイル環境でも高音質なセッションの再生、編集環境が構築できそうです。

この検証で使用したSSD Thunderboltストレージは2013年12月よりアミュレット店頭、通販、Amazonで取扱い開始予定です!

12/2(月)から12/27(金)までこのMacBook Pro RetinaとProTools、Thunderboltストレージを使用した検証環境をアミュレット店頭にて展示中です。お気軽にご来店下さい!

※12/13(金)〜24(火)は店頭改装のため休業となります