既存システムを延命して、頑張らないITプロジェクトという選択もあります。シンプルな仮想サーバの実装のデモを行なっています。

1. はじめに

アミュレットでは、お客様のITの悩みごとをオープンソースソフトウェアを活用しながら解決しています。ここでは、その取り組みの一端をご紹介します。まず、最初に実際の構築事例をご紹介し、次にそれをどのような段取りですすめたのかを説明します。私どもの事例が何らかの参考になれば幸いです。また、ご意見等もお待ちしております。

2 第一部: 古いサーバを仮想化して二重化してみた!

2.1 ご相談

A社のシステム担当役員のBさんは、Windowsサーバ上で業務アプリケーションを動かしていました。2007年に導入したものでかれこれ数年が経過しています。特に問題はおきていないし、課題もないので既存のサーバをそのまま使いたいのですが、ハードウェアの老朽化が心配のタネです。また、ベンダーに相談したところ、システムを全面的にバージョンアップする必要があるとのことです。そうなると、人員の教育も考えなければならないし、予算がオーバーするし、運用面でも大変だと悩んでいました。Bさんは今期は、ITでは別の分野の強化に努めたいと考えていました。そこで、アミュレットの店員のCさんに相談することとなりました。以前PCの相談にのってもらって、データ移行をやっていただいたことを思い出しました。

2.2 目指すこと。

Cさんは、アミュレット法人営業部に状況を引継ました。アミュレットでは状況を分析して、「ハードウェアだけ入れ替えて、今迄のサーバをそのままそっくり仮想化しましょう。」という方針をたてました。

A社のシステムの現状、今後、将来


2.3 システム構成

システムを設計するにあたって、まず仮想化OSの選定を行います。アミュレットで実績のあるのは、Redhat、VMware、Xenserver、Hyper-V、CentOSですが、今回はCentOS 6.xを利用することとしました。次に冗長化構成等を検討します。今回は単純に2台構成で、日時バックアップ。DRBDやフェールオーバは採用しないこととしました。

2.4 移行手順

アミュレットでは、事前リハーサルを重視していますので、本案件についても何度かの事前の検証実験を行ないました。仮想化ソフトウェアは技術上問題なく動作するものでも、運用面で予期せぬトラブルが生じることもあります。今回はまず、仮想インフラを構築したあと、データを投入しての移行実験を行い、次に現場で運用しているデータと同等なものを使って、現地にてユーザを交えての運用テストを行いました。

2.5 移行後の流れ

テストがクリアしたのち、KVMスイッチやUPS,ルータといった関連する装置や設定も含めて、移行を実施しました。業務への影響を最小限にするために、タイムテーブルを作成し、事前の関係者の擦り合わせを行なうなど十分な準備が欠かせません。また、移行後3週間ぐらいは予期しないトラブルが発生するため、関係者のバックアップ体制を整えておきます。

2.6 まとめ

サーバの仮想化については、現時点で事例も豊富にあり、技術的にはシンプルですが、利用者が気がつかないように移行するためには丁寧な段取りも必要だと思います。更に、アプリケーションソフトウェアのベンダー様ユーザ企業様のスタッフのご協力があって始めて成り立っています。おかげさまで、A社のシステムは現在も、以前と変わらずに運用できているそうです。

A社では、とりあえず仮想化でシステムは延命しましたが、体制が整い次第、新しい機能を持つ、新しいバージョンのアプリケーションソフトウェアの導入を前向きに検討しているそうです。今回のシステム移行の意義を以下のように総括してくれました。

・本格的に新システムに移行するまでの時間が稼ぐことができた。
・冗長化が達成され、システムが安全になった。
・小規模ながら仮想化インフラが整い、今後の拡張性に見通しが立った。

アミュレットでは、仮想化のためのハードウェアとソフトウェアを承っています。今回の店頭展示では、この案件に比較的近い構成のシステムを展示しています。是非お立ち寄り下さい。

3.第2部: 頑張らないITプロジェクトの管理をやってみた!

3.1 頑張らないITプロジェクトの意義と目的

第1部で紹介した事例は、Linuxを勉強している人であればそれほど難しいものではありません。ところが、他者に影響を及ぼすシステムの場合は、様々な点に配慮しなければならず、いろんな所に時間と手間がかかります。特に予算の制約がある場合は、専門のプロジェクトマネージャが割り当てられることもなく、段取りも滞りがちです。このような時は、どうしたらよいのでしょうか。

3.2 プロジェクトは思ったより長い。相撲の15日間と同じ位長い。

プロジェクト管理の分野ではPIMBOKが有名で、プロジェクトを5つの段階に区分しています。これはとても洗練されていて素晴らしいのですが、少し抽象的です。そこで、システムの置き換え等といった単純なプロジェクトの場合に限定しますが、アミュレットが15の区分でITプロジェクトを勝手に分類しましたので、それをご紹介します。日本人なら誰でも知っている国技に大相撲があります。年6回実施している本場所はすべて15日間かけて実施されます。力士(選手)は1日1取組み(試合)だけをおこない、最終的に勝ち越しを目指します。ITプロジェクトも、段階によって取り組みが全く異なります。力士と同じく違う戦いをしなければなりません。そこで、取り組みを15段階に分けて相撲の場所をまねて「アミュレットのITプロジェクト場所」を造ってみました。

「アミュレットのITプロジェクト場所」では、プロジェクトの中で1回に1取組を意識してもらい、15日で最終的なゴールを目指してもらうよう考えています。

相撲と違って一つ一つの取り組みに勝ち負けはありませんが、関係者間の合意形成(ができていることが大切です。相撲では白黒がはっきりしますが、プロジェクトでも各段階で白黒がはっきりしていることが大切だという点では同じですね。

3.3 プロジェクト:場所の取組

ITプロジェクト場所の取組内容と、A社の事例を以下のようにまとめてみました。

3.4  あなたが今取組んでいるITプロジェクトは相撲場所でいうと何日目にあたりますか?

「困ったな」と思った時から取組(プロジェクト)は始まっています。

「終わったな」と思っていても、取組(プロジェクト)は終わっていません。

でも、頑張らないITプロジェクトでも、一つ一つ取り組んでいけば、大きな失敗は避けられるし、不安も解消できると思います。皆様の取り組みも一つ一つステップをふみながら、ITプロジェクトを進めていきましょう。

4. まとめ

取組によっては「途中休場」や「引退」もあるかもしれません。一つ一つがしっかりと前向きに進むよう、アミュレットではこれからもプロジェクトに取組む皆様を応援していきたいと思います。システム構築に関するお問い合わせは、下記お問い合わせ窓口からお願いします。

https://ssl.amulet.co.jp/solutions/contact.html