高速かつ手軽で扱いやすいデータ共有システムを

外観

10cm四方の中に

以前当ブログで、「市販のハードディスクとRAIDケースで16TB高速NASを作ってみた!」という記事を掲載しました。
Linuxのファイルサーバ(Samba)を使って、16TBの高速NASを作ることに成功しましたが、やや設置場所を選んでしまうという難点がありました。(以下参考画像)

PS-mini+FRR4BUSB3.0

同じ仕組みを利用して「もっと小さくて速いNAS」ができれば、導入の敷居が低くなり活用機会も増えるのではと考えました。そこで今回は、モニタとドッキングできるNASを作ってみました。イメージとしてはこんな感じです。↓

小型NAS

目指すもの

以下の3点です。

NASとしてデータの読み書きが速い
静音低消費電力で、狭い環境でも使える
低予算で高品質を実現する

今回使ったもの

サーバハードウェア(以下ハードウェア):POWERSTEP VESA2(Intel DC53427HYE
データ蓄積用外付けストレージ(以下外付けストレージ):RebDrive USB3.0 1TB
LANケーブル×1本
VESAマウント可能なモニタ(Mini DisplayPortもしくはHDMI対応のもの)

ハードウェアの内蔵ストレージはmSATAというタイプになっています。
なんとこの大きさで128GBという容量です!

mSATA

ハードウェア外観

VESAマウントとは?

薄型テレビや薄型ディスプレイの背面を壁やアームスタンドなどに固定するための、金具やネジ穴の位置や寸法などを定めた規格。机の端などに設置したアームの先端にディスプレイを取り付けたり、マルチディスプレイで複数段に渡って多数のディスプレイを設置する際に、壁や棚など垂直の什器に固定するために用いるもの。
(IT用語辞典 e-Wordsより引用)

ハードウェアに付属しているVESAマウンタをモニタの背面に取り付け、ハードウェアはマウンタに引っ掛けるようにして固定します。

vesaマウント

必要なケーブルをつなぎ実際に動かす段階での形は以下のようになります。

使用時外観

白いケーブルはUSB3.0ケーブル、赤いケーブルはLANケーブル、黒いケーブル2本はそれぞれHDMIケーブルと電源ケーブルです。ご覧のとおり、ほとんど設置面積を取ることがありません。また、余っているUSB2.0のポートはバックアップ用に使えば、障害時の対策も安心です。

NASとしての仕組みと機能はどうなっているの?

「利便性が高いのかどうか」がNASとしての価値を決める最も重要なポイントであると思います。筆者が考える必要な要件を整理してみました。

  • ハードウェアと外付けストレージが手動マウント式で分離できる(手で「ガチャッ」と外せる)

NASとして実際にデータを書き込む場所は、前回同様外付けストレージに(Sambaの共有領域を外付けストレージに設定する)。
外付けストレージとして1TB/2.5インチ組込みのものを利用しており、データがいっぱいになった時にはアンマウントして簡単に外せます。ケースとドライブを分離して、別のドライブを活用することもできるため、データ容量と用途に合わせて豊富な選択肢があります。

  • データの転送速度が速い

今回用意したハードウェアでは、
メモリ16GB、CPU Intel Core i5-3427U 1.80GHz、USB3.0×1を搭載しています。外付けストレージはUSB3.0接続のため、1000BASE-T GbEthernetでデータ転送する場合でも、外付けストレージの転送速度がボトルネックになることはありません。

外付けストレージのフォーマットは?

前回はNASから外してWindowsでもMacでも使えるように、exFATを採用しました。今回はLAN内に用意したLinuxサーバにのみ接続して使うことを念頭に、速度に定評のあるXFSファイルシステムを採用しました。Red Hat系のLinuxディストリビューションでは、デフォルトでXFSにフォーマットするためのツール(mkfs.xfsコマンド)が入っていませんので、yumで一括インストールします。(Ubuntu等ではGpartedを使ってGUIでフォーマットできます)

# yum -y install xfs*

【CentOS 6.4にXFS形式のストレージをマウントする方法】

  1. 「xfsprogs」をダウンロード&インストールします(先ほどyumで実行した場合はその時点でインストール済みとなります)
  2. インストールされたことを確認
    # rpm -qa | grep  xfsprogs
  3. fdiskコマンドでフォーマットしたいストレージのデバイス情報を確認
    # fdisk -l
  4. XFSでストレージをフォーマットします。(以下は、/dev/sdb1をXFSでフォーマットした例です。パーティションやデバイス名はご自身の環境に置き換えて実行して下さい)
    # mkfs.xfs /dev/sdb1
  5. 最後に、mountコマンドで、任意のディレクトリにXFSでフォーマットしたストレージをマウントします(以下は、/share [権限777] 以下に/dev/sdb1をマウントした例です。ご自身の環境に置き換えて実行して下さい)exFATでは日本語が含まれるファイルの読み書きができませんでしたが、XFSなら日本語のファイル名で保存可能です。
    # mount -t xfs /dev/sdb1 /share/

NASとしてSambaを使うメリット【再掲】

  • 導入コストが低い(オープンソースのため実質フリー)
  • ハードウェアスペックを自由に選択できる(特に高性能なCPUと大容量メモリを採用できる)
  • 豊富なSambaのパラメータを利用できる(メーカー製のNASではできない細かな設定ができる)
  • 用意したサーバにLANポートが複数ある場合、ネットワークインターフェイスを冗長化(並行して負荷分散も)できる
  • 余っているリソースで別目的のサーバを立てることもできる
  • Samba4では最新のActive Directory機能を使うことができる
  • 共有領域を異なる運用ポリシーで使える
  • 共有領域にゴミ箱を設置したり、リポジトリを作成できる

ハードディスクケースを使うメリット

  • 市販のHDDや余っているHDDを使うことができる(NAS完成品の場合、制約が多いことがある。)
  • 気軽に取り外しができる
  • NAS完成品に比べて安価に入手できる

実験に使用したRebDrive USB3.0 1TBは、USB3.0/2.0外付けポータブルハードディスクケースです。映像放送関連業界のお客様をはじめとして、多くのご支持を頂いております。

RebDrive_USB3

RebDrive USB3.0 1TBについてはこちら
https://www.amulet.co.jp/products/RebDrive/SATA/RebDriveUSB30.html

ベンチマークをとってみた

LANにつないだWindows 8マシンで実際にデータを転送してみて、読込速度と書込速度を計測してみました。ベンチマークツールには、CrystalDiskMarkを使用しました。実験では以下の4つのパターンで計測しました。

①RebDrive USB3.0 1TB
②RebDrive USB3.0 + SSD240GB
③ハードウェア内蔵SSD
④別のNAS

の3つのSamba共有領域を作り、Windows8マシンからNASとしてネットワーク越しにマウントさせました(Z:ドライブなど)。速度比較の参考に、別のNASでも測定しました。

実験環境ネットワーク図

実験環境ネットワーク図

クライアント環境(Windows 8 Pro)

テスト環境

USB3.0 外付けHDD 1TB XFSファイルシステム↓

TOSHIBA_HDD_1TB

USB3.0 外付けSSD 240GB XFSファイルシステム↓

Intel_SSD_240GB

mSATA 内蔵SSD 120GB ext4ファイルシステム↓

mSATA_in_SSD_120GB

【比較参考】SATA 内蔵HDD 320GB ext3ファイルシステム↓

SATA2_in_HDD_320GB

1000BASE-T GbEthernetの最大速度理論値は125MB/s(=1000Mbps=1Gbps)ですので、113MB/sという数字は転送効率としては90%以上達成できていました。これは十分許容範囲内と言えるではないでしょうか。(実際に4.11GBのファイルを転送してみたところ、約38秒でコピーできました)

転送速度

ちなみに、ハードウェア内部でベンチマークを取ってみたところ、以下の数字が出ています。

[root@DC53427HYE ~]# hdparm -t /dev/sda
/dev/sda:
Timing buffered disk reads:  846 MB in  3.01 seconds = 281.51 MB/sec(内蔵SSD)
[root@DC53427HYE ~]# hdparm -t /dev/sdb
/dev/sdb:
Timing buffered disk reads:  328 MB in  3.00 seconds = 109.18 MB/sec(外付けHDD)

まとめ

今回作ったシステムなら、以下の3つを実現できます!

高速性 Gigabit Ethernetの転送速度をフルに活かした約100MB/sでデータを転送できる
省スペース・省電力・静音
低価格・柔軟性 メーカー製のNASと比べて低予算で自由度の高いデータ共有が実現できる

今回、高速かつ手軽で扱いやすいデータ共有システムをお考えの方に、台数限定で上で取り上げたNASを構築できるキット製品をご用意致します。キット製品概要は以下の通りです。

ハードウェア:POWERSTEP VESA2(Intel DC53427HYE メモリ4GB、SSD64GB組込済み)
データ蓄積用外付けストレージ:RebDrive USB3.0 1TB
価格税込 ¥79,800〜 (オプションでメモリ、ディスク変更可能)

省スペースで高速なNASをご検討中の方や、今回ご紹介したシステムにご興味のある方は、下記までお気軽にお問い合わせ下さい。
solutions@amulet.co.jp

実際の構築手順、運用方法、冗長化、UPS設定等の対応については別途有償となりますが、トレーニングメニューをご用意しております。

来週8/19(月)〜8/30(金)までの2週間、当記事で紹介したシステムの店頭デモを行います。是非お気軽にお越しください。