最新技術が詰まったThunderbolt 3

「Thunderbolt 3」は,Apple社のMacBook Proシリーズや新しく発売されたiMac Proに標準搭載されるようになり,世間での認知度がだいぶ高くなってきているかと思います。まだまだ変換コネクタやドックがなければ使えないことも多いですが,徐々に対応製品も増えてきました。

ちなみに弊社でもThunderbolt 3に対応した製品を販売しています。
https://www.amulet.co.jp/products/AKiTiO/AKiTiO_Thunderbolt_3_series.html

Thunderbolt 3は,端子部分にUSB Type-Cを採用しており,上下がない便利な形になっています。そのため抜き挿しの際の煩わしさがなくなり,既にスマートフォンの充電ポートとしても使われています。今後は間違いなくこのポートを採用した様々なデバイスが浸透していくと思います。USB Type-Cは、Nintendo Switchにも使われていますね!

今回は,そんなこれからの発展が楽しみなThunderbolt 3ポートを2ポート搭載したPCのご紹介です。
据え置き型のいわゆる「デスクトップPC」は,最近では秋葉原界隈でしか見かけない(?)かもしれませんが,逆に持ち歩きが前提でなかったり,パソコンとしての処理能力を重視したい場合にはやはりまだ有用です。後々機能を拡張できるのも大きな魅力の一つでしょう。

この記事では,ノートPCで使う以外のThunderboltの使い勝手にも注目してみたいと思います。

Thunderbolt 3を使ってできること

Thunderbolt 3を使って実現できることの要点は,IntelがPDFで公開しています。箇条書きにしてみます。
Thunderbolt™ 3 Technology Overview Brief
https://www.intel.com/content/dam/www/public/us/en/documents/product-briefs/thunderbolt-overview-brief.pdf

  1. デュアルフル4K解像度出力
  2. 最大40Gbpsのデータ転送
  3. 最大100Wの電力供給
  4. USB-Cに1本でThunderbolt, USB, DisplayPort, PCI-EXPRESSの各種プロトコルを利用可能

Thunderbolt 3とUSB Type-Cの関係については,ITmediaさんのこちらの記事がわかりすいです。
USB Type-CとThunderbolt 3の“紛らわしい関係”をIDF 2015で整理する
http://www.itmedia.co.jp/pcuser/articles/1508/25/news068.html

Thunderbolt 3はあらゆるプロトコルの通信を集約しており,デイジーチェーン接続をサポートしているため,とにかくケーブルがすっきりして取り回しが楽になります。

Thunderbolt 3はUSB-Cポートを利用しているため,USB 3.1に対応したデバイスも遜色なく使うことができます。今後USB-Cポートは確実に世の中で普及してきますので,スマートフォン・ストレージ・ビデオカード・モニター・各種PCIeデバイスやドック等を繋いで長く使えるということになります。

レガシーなポートでも,Thunderbolt 3に対応したドックを繋ぐことで使い続けることができます。最近ではGPUを搭載したドックも出てきているようです。
Lenovo、ノートPCにGeForce GTX 1050を増設するThunderbolt 3接続ドック
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1100417.html

USB Type-Cについては,周辺機器メーカーの解説ページで概要を掴むことができます。

USB Type-C ってなに?- ELECOM | Type-C紹介
http://www.elecom.co.jp/pickup/usb_type-c/

USB Type-Cとは? – サンワサプライ株式会社
https://www.sanwa.co.jp/product/cable/usb/type_c.html

注目の「USB Type-C」 知っておきたい利点と課題
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO13633070T00C17A3000000

Thunderbolt 3を2ポート搭載しているデスクトップPCは実はあまりない

Thunderbolt 3はノートPCのような小さめのPCで使ってこそ恩恵が大きいため(薄い筐体に物理的に組み込めない機器を多く接続できるので),ノートPCを製造しているメーカーではThunderbolt 3を搭載した製品をリリースしていることが多いのです。逆にデスクトップPCのような大型で拡張スロットも充実している製品だと,オンボードで2ポート以上のThunderbolt 3を搭載しているものはほとんどありません(2018/01/14現在)。当然ですが,実際にマザーボードのPCIスロットに直挿しして使った方が効率が良いからです。

しかしそれは逆手に取ると,Thunderbolt 3ポートがあるとノートPCで利用しているThunderbolt 3デバイスをデスクトップPCでも利用できる環境を整えることができるとも捉えることもできます。特にPCIe接続のSSDなどは,環境に応じて繋ぎ変えることができれば利便性は格段に上がり恩恵が大きいでしょう。

そしてデスクトップPCの良いところは,ノートPCでは物理的に実現が難しい大容量のメモリ搭載や処理性能の高いデスクトップPC向けCPUを使用できるところです。これは埋めがたい差になります。

動画編集や写真のレタッチなど,通常の操作と比べて重い作業をする時には,デスクトップPCに軍配が上がるはずですので,「外使いはThunderbolt 3(あるいはUSB-C)があるノートPC,自宅(会社)ではThunderbolt 3があるデスクトップPC」という使い分けができると便利かもしれません。その場合,USB-Cに対応したモニターを使えば,モニターも共有できてしまいます。

私も普段愛用しているEIZOさんのモニターなどを見ても,MacBookを繋いで使う場合の有用性をわかりやすく説明されています。
最新ディスプレイ講座――HDMI、DislplayPortから先進のUSB Type-Cまで映像入力インタフェース徹底解説
http://www.eizo.co.jp/eizolibrary/other/itmedia_usb-type-c/

FlexScan EV2780とUSB Type-C搭載デバイスとの互換性情報
http://www.eizo.co.jp/support/compati/others/usb-type-c/EV2780_USB-Type-C-compatibility.pdf

実際にThunderbolt 3デバイスを繋いで使ってみた

今回検証用に用意したPOWERSTEP Towerで実際にThunderbolt 3デバイスを繋いで使えるか色々試してみました。
Windows 10上ではThunderboltデバイスはこのように見えていました。

 

先に弊社のAKiTiO製品での動作実績を載せておきます。結果的には全てのThunderbolt 3デバイスが問題なく認識して使えることがわかりました。

独立したポートそれぞれでも,デイジーチェーン接続でも全く問題ありませんでした。

 

AKiTiO Thunder3 Quad Miniでのベンチマーク結果

Thunder3 Quad MiniにSSDを4台搭載してRAID0を組み,ベンチマークを取ってみました。デイジーチェーン接続で終端にすると多少性能が落ちてしまうようです。

AKiTiO Node Liteでのベンチマーク結果

PCIe直挿しのIntel SSDPEDMW012T4を使ってベンチマークを取ってみました。こちらはデイジーチェーン接続で終端にしても速度の低下は全く見られませんでした。安価なSSDでRAID0を組むよりも良い選択と言えるかもしれません。

Thunderbolt 3を2ポート搭載したPCはこちらから!

この記事で検証に使ったPCの発売を今週1月15日(月)から開始します!

POWERSTEP Tower|Thunderbolt 3を2ポート搭載したPC
https://www.amulet.co.jp/products/custompc/ps-tower.html

作業効率の向上,モバイル機器との連携を強化したい方に最適な製品となっております。「長い目で見て使い勝手が良いデスクトップPCが欲しい」という方は,この機会にぜひご検討ください。

弊社店頭でも2018/1月15日(月)〜2月2日(金)まで展示しています。お手持ちのデバイスで動作確認ができますのでお気軽にご相談ください。

2018/9/25 追記
弊社では、Thuderbolt3に対応したPCを以下のようにご用意しています。是非ご活用をご検討下さい。

POWERSTEP VESA T3(Intel NUC, VESAマウント)

POWERSTEP Cube(Cube型(ミドルタワーの半分の高さ)デスクトップ)

POWERSTEP Tower(タワー型デスクトップ)