Mac/Windowsに対応したThunderbolt 3対応 M.2 PCI Express SSD用 4スロット外付けケース「OWC Express 4M2」が2020年6月5日(金)より販売開始となります。

今回のブログでは、このOWC Express 4M2をご紹介をいたします!

OWC Express 4M2 概要

OWC Express 4M2はThundebolt 3ポートをインタフェースに持つMacおよびWindowsパソコンに接続し、macOSやWindowsで提供されるソフトウェアRAID機能を利用して、本製品に搭載する複数枚のM.2 PCI Express SSD(以下 M.2 PCIe SSD)をRAID構成することにより、より高速で、より大容量な、より信頼性の高いストレージを実現する4スロットM.2 PCIe SSDケースです。対応OSはWindows10、macOS 10.13以降に対応しています。さらに、Macユーザにはうれしいことに、macOSで提供されるソフトウェアRAID機能よりもRAID構成を容易に構築できるだけでなく、SSDのテスト機能などが組み込まれたmacOS向けRAID構築アプリケーション「SoftRAID Lite XT」(RAID 0,1 対応)のライセンスが付属されます。

OWC Express 4M2の外観

では、まずは外観から見ていきましょう。外形寸法は幅136mm x 高さ60mm x 奥行113mmと非常にコンパクト。ゴム足が縦横についていますので、置く場所に合わせて縦置きにも横置きにもできます。


背面はThunderbolt 3ポート2つとDisplayPort、電源入力端子とシンプルです。

2つのThunderbolt 3ポートはデイジーチェーンで他のThunderbolt 3 機器に接続が可能ですし、USBマウスやキーボード等のUSB機器を接続することもできます。(注:すべてのUSB機器の動作を保証するものではありません。)
またUSB PD対応していますので15Wの電力を供給することができます。
DisplayPortは4K出力に対応したDisplayPort 1.2仕様となっており、パソコンの映像をDisplayPort搭載モニターへ出力可能となっています。

OWC Express 4M2の内部

次に内部をのぞいてみましょう。背面の固定用ネジを緩めてカバーを外すと動作中に高温となるSSDからの熱を効果的に放熱する大きめのファンが現れます。放熱ファンを固定しているネジを外して放熱ファンを取り外すとM.2 PCIe SSDの搭載スペースが現れ、ここにM.2 PCIe SSDが4枚まで取り付けることが可能です。

OWC Express 4M2に搭載可能なM.2 PCIe SSD

OWC Express 4M2に搭載可能なM.2 PCIe SSDは、以下のような仕様です。

  • フォームファクター: M.2  (Type)2280  (差込口)M Key
  • 通信プロトコル  : NVMe、AHCl (PCleのもの)

「M.2 SSD」と検索すると様々な商品がヒットします。外形サイズが同じで一見スロットに装着できるように見えても、通信プロトコル仕様が異なるSATAであればOWC Express 4M2では使えません。フォームファクター、通信プロトコルといった仕様を十分に確認した上で装着してください。

Samsung社の970 EVO、970 EVO PLUSはSSD本体のファームウェアによっては動作しませんのでご注意ください。(参照:2020年5月20日現在https://www.owcdigital.com/owc-express-4m2-drive-compatibility(英語))

また、ヒートシンクなしのWD Black SN750 NVMe  SSDを搭載してみたところ、SSDと放熱ファンの間隔は2mm弱(写真を参照)しかなく、ヒートシンクが付いているM.2 PCIe SSDの取付はたいへん難しいと思われます。

OWC Express 4M2 を使ってみた
(Macintosh でのベンチマークテスト)

OWC Express 4M2に1TBのM.2 NVMe SSD(WD Black SN750 NVMe  SSD 1TB)4枚を取り付けて、ベンチマークテストで性能を確認しました。

まず、Macのベンチマークテストです。動作確認の環境は以下の通りです。
パソコン:Macbook Pro (15-inch, 2018)intel Core i7 2.2GHz 6コア
      OS:macOS 10.15.4
ベンチマーク:AJA System Test Lite 12.4.3
(データ 5120×2700 5K RED、4GB)
ソフトウェアRAID:SoftRAID Lite XT

最初は4枚構成のRAID 0(ストライピング)での計測です。

読み書きともに2,500MB/sを越える素晴らしい結果が得られました。容量は4TBありますから4K、8Kビデオ編集のような高速大容量ストレージを必要されるような作業にはぴったりです。
次に耐障害性を重視する2枚構成のRAID 1(ミラーリング)での計測をしてみました。読み込み速度が1,500MB/sを越えた速度はまぁまぁですが、書き込み速度の600MB/s台はM.2 NVMe SSDとしては、ちょっと遅いようです。ちょっと気になります。

OWC Express 4M2 を使ってみた
(Windows でのベンチマークテスト)

次にWindowsでのベンチマークです。動作確認の環境は以下の通りです。
パソコン:HP Spectre x360 13(intel Core i5 /メモリ:8GB)
      OS:Windows 10 Home バージョン1909
ベンチマーク:CrystalDiskMark 7.0.0(設定はデフォルト、データ4GiB)
ソフトウェアRAID:
SSD4枚構成によるWindowsで標準で提供される
「記憶域スペース/記憶域プール」

「記憶域スペース/記憶域プール」の中からRAID 5相当といわれる「パリティ」を指定した記憶域スペースの速度を計測してみました

読み込み速度が2,200MB/s台とこちらもSSDとしても高速といえる素晴らしい速度です。しかし、書き込み速度の450MB/s弱というのは、M.2 NVMe SSDとしては遅い感じがします。

*Windows 10 バージョン 1809以降では、デバイスマネージャの「xxxxx」(”xxxxx”はOWC Express 4M2に装着したデバイス名)のプロパティのタグ「ポリシー」で、デフォルトで書き込みキャッシュが無効になっています。無効のままですとSSDの本来の性能が得られません。下図のように「高パフォーマンス」と「デバイスの書き込みキャッシュを有効にする」をオンにしてください。

1スロットあたりの通信速度がPCIe 1レーン…

MacでのRAID1(ミラーリング)やWindowsの記憶スペース(パリティ)の書き込み速度がちょっと遅いので、確認のため1スロットで1ドライブ(Non-RAID)にした場合のベンチマークを計測してみました。
上がMacでのベンチマーク結果、下がWindowsでのベンチマーク結果です。転送速度としてはSATA仕様のSSDよりも若干速い程度でした。今回使用したWD Black SN750 NVMe  SSDのカタログ値は読出3430MB/S、書込3000MB/Sですから、明らかに性能が出ていません。OWC Express 4M2のスペックを改めてよく確認したところ、その理由がわかりました。

原因は1スロットあたりのデータ転送がPCIe 3.0 x 1レーン、すなわち8Gbpsの仕様となっていることでした。その仕様ならば、SATA(データ転送速度6Gbps)仕様よりも若干速いNon-RAIDでのベンチマーク結果は納得できます。では、何故1スロットあたり1レーンなのか? それはパソコンとケーブル接続する通信規格Thunderbolt 3の速度が関係していました。

Thunderbolt 3のデータ転送速度は理論的には40Gbpsです。OWC Express 4M2の内部はPCIe 3.0ベースの通信ですので、したがってPCIe 3.0 x 4レーン(32Gbps)が最大となります。OWC Express 4M2 は4スロット仕様ですから、1スロットあたりのデータ転送は1レーン分で十分となります。Thunderbolt 3が登場した時はUSB3.0(データ転送速度 5Gbps)と比較してその速さに驚愕したものですが、Thunderbolt 3がボトルネックとなる時代が来るとは思いもよりませんでした。

4K/8Kビデオ編集などの超高速大容量ストレージとして最適

高速なM.2 PCIe SSDを4枚も搭載できるOWC Express 4M2 。非常に魅力的なハードウェア構成ですが、その内部仕様から1スロット単位で利用するのは、転送速度の面からあまりお薦めできません。この条件ですと、単体で読み書き2000MB/s前後の転送速度の出るThunderbolt 3 対応ポータブルSSD Archgon X70 IIなどと比較した場合、コストパフォーマンス的にちょっと厳しくなってしまいます。本製品の機能を有効活用するためには、M.2 PCIe SSDの4枚挿しでRAID構成でのご利用を推奨いたします。1枚あたり4TBの容量をもつM.2 NVMe SSD、例えばOWC Aura P12 4.0 TB M.2 NVMe SSD(アミュレットでは現在取り扱っていません)を4枚取り付ければ、ポータブルSSDでは得られない16TBの超高速大容量ストレージが実現できます。

以上のように外形は小型ながら各種ソフトウェアRAID機能を使って、高速性、信頼性、可用性を高い大容量のデータの収容を実現しているOWC Express 4M2 。デジタルビデオ映像素材の編集・保存用ストレージ、大容量データのバックアップ・デュプリケート環境などなど様々なご用途にお使いいただける商品となっています。

ご興味ご関心のありましたらお気軽にお問い合わせ下さい!

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