~曲作り、録音、ミックス、音楽制作、の準備編~
設定が終了したら、作曲から録音、ミックス、そしてミックスした曲をステレオファイルに書き出しを行いmyspaceやmuzie等の音楽公開サイトへ楽曲を登録したり、CDにして想いを馳せるあの人へ曲のプレゼント等色々とお楽しみが待っています。
楽曲制作の準備から、パソコンで録音、ミックスする際の基本的な方法をご紹介していきます。
今回のアミュレットスタッフブログでDTMユーザーの方へデュアルドライブアップグレードサービスをご紹介したのは、前回のブログにも書かせて頂いた通り、安定した録音、編集作業を行うにはオーディオ専用のハードディスクが必要という点があります。
こちらはCUBASEを販売しているYAMAHAのDAW向けパソコンの推奨環境ページです。パソコンを使っての録音に関する必要条件が色々詳しく書いてありとても参考になります。
こちらがProToolsを販売しているAvidのハードディスクの必要条件です。
どちらも7,200回転のオーディオ用のハードディスクが必要としており、一番推奨のハードディスク接続環境は内蔵のSATAとなっております。
ノートパソコンの場合はUSB2.0、FireWire接続、Windows PCではeSATAがUSBと兼用ポートで搭載されているものもあります。ProToolsを取り扱っているAvidのハードディスク必要条件ではMacの場合はFireWire接続となっております。
規格上ではUSB2.0の方がFireWire400より早いのですが、実際に使用したときのスピードはFireWire400の方が若干高速です。FireWire800接続の場合は、大きなファイルのやり取りをするシーケンシャルアクセスという部分がだいぶ早いのでMacでDTMの外付けハードディスクを使用する場合はFireWIre800がお勧めです。
近頃はノートパソコンでもCPUが4コア、仮想8コア搭載しているものが増えており、Macは全てCore iシリーズとなっています。メモリも8GBまで搭載できますのでここまでは十分な性能となっております。あとは録音用ハードディスクを用意するだけ・・
しかし、いかんせんMacBookシリーズはUSBポートが少なくFireWireポートもオーディオインターフェイスの接続に使ったりと端子が足りない!という状況になりがちです。
そこで、デュアルドライブアップグレードで内蔵の高速なSATAバスにハードディスクを増設し、パソコン回りはすっきり、USBとFireWireも好きなものを接続できる環境にしよう、という訳です。
では設定行きましょう!
ProTools を立ち上るとクイックスタート画面が開きます。これは他のCUBASEやLogic Pro等も同様で、まず新しい曲を作るに当たり基本的な設定を行います。
・オーディオファイルタイプ:現在のオーディオ録音ではAIFFかWAVの二択という感じになっています。録音するオーディオファイルの形式を選択します。AIFF、WAVどちらを選んでも音質に差はありません。また、DAWソフトによっては混在も可能なものもあるのでお好きな方を選択して下さい。
・ビットデプス:これは録音するオーディオの品質の選択となります。結構重要な項目です。通常販売されているCDは16ビットです。その他に24ビット、32ビット浮動小数点が選択できます。16ビットでも問題はありませんが、高いビットデプスに設定することにより、録音されるオーディオの受け皿に対し余裕が生まれます。音量を受け取る箱が大きくなるという感じですね。
その結果、録音する時に音割れ防止やミックスする際にダイナミクスレンジ(音量の幅)が広がるため豊かな音質になります。
そのため高いビットデプスで録音し、最終段階でCDの音質である16ビットに落とすというのが一般的となっています。
ただし、高いビットデプスにすると一つ一つのオーディオファイルの容量が大きくなるため、ハードディスクのアクセスの負荷が高くなったり、保存容量が大きくなります。
でも現在のハードディスクの性能であればほとんど問題ありませんので24ビット以上を選択した方が良いかと思います。
24ビットか32ビット浮動小数点にするかは、書くと長くなりますので簡単に書きますよ。24ビットでもCD音質の16ビットよりは十分良い音質です。また、録音した曲を本格的なレコーディングスタジオでプロにミックスしてもらう!という場合には24ビットを選択しておいた方が無難です。
32ビット浮動小数点は最近採用され始めたビットデプスなので他の人が使っているDAWソフト、スタジオとの互換性、ファイルのやり取りという意味ではあまり向いていません。
ProToolsでもバージョン10では32ビット浮動小数点を選択できますがバージョン9では選択できません。Logic Proも対応していません。CUBASEやDPは対応しています。
じゃあ32ビット浮動小数点ってなんなのさ!?ってとこですが、DAWソフトの音をミックス(音量を決めたり音の場所を決めどういう曲に仕上げるか)するオーディオエンジンと呼ばれる部分が32ビット浮動小数点なんです。(最近のDAWソフトStudio One 2なんかは64ビット浮動小数点も選択できます)
ミックスするエンジンと録音するファイルを同じものにして音質のロスを防ぎ、より高音質にしよう!という訳です。個人で録音からミックスまで全部やる!って方は32ビット浮動小数点を選択してもいいかもしれません。
サンプルレート:サンプリングレートとか言われたりもします。この項目も音質に関わるのですが、ビットデプスを16ビットから24ビットにするのとサンプルレートを44.1kHzから96kHzにするのはプラグインのCPUの負荷、オーディオファイルのハードディスクへの負荷の高まり方の比がとんでもございません。
CDのサンプルレートは44,1kHzです。48kHzは映像撮影、DVDなどで一般的なサンプルレートです。88.2kHz、96kHzはそれを倍の精度で録音するということになるのですが、サンプルレートが高い程、より細か~くオーディオを録音し、より高~い周波数の音まで録音できるので高音質、その分、単純に一つ一つのファイル容量が倍になりハードディスクへのアクセス負荷が高まる、また、音を整えたり変化させるプラグインもより細かい処理をしないといけないのでCPUの負荷がとても高くなるというわけです。
サンプルレートに関する音質には色んな意見があります。最終的にCD音質の44.1kHzにするなら最初から44.1kHzが良い(高いサンプルレートからの変換時に音が変わる)や、96kHz等の高サンプルレートで録音した方が高音域の再現性やプラグインの処理が良く最終的に44.1kHzに変換する場合でも高サンプルレートのが良いなどなど。この辺は『ググって』みて下さい。
将来的に、といってもそう遠い話ではなく1~2年くらいだとは思いますがCPUの性能は96kHzのサンプルレートに追いつくはずです。
ただ、音楽のジャンル、録音環境によっては44.1kHz、48kHzのが良い場合もあります。ここはそれぞれ試してみないと分からない部分です。
今回はMacBook Proを使用してのDTM環境なので44.1kHzか48kHzが良いのではないかと思います。
インターリーブ:この項目を設定するのはProToolsのみです。他のソフトは最初からインターリーブです。インターリーブとはステレオで録音するファイルを一つのステレオファイル形式にするという意味です。
そんなの当たり前、意味わかんね、って感じかと思いますがProToolsではバージョン9までステレオのファイルをモノラル二つに割って録音していたのですがバージョン10からステレオファイルをステレオファイルとして扱うようになりました。「ProTools 10以前のProTools」で作業する可能性がある、という場合以外はチェックオンでだいじょぶです。他DAWソフトは全部ステレオファイルはインターリーブですから。
ここでの設定が終わったら録音するファイルの置き場所を決めます。ほとんどのDAWソフトでは標準で、起動ディスク/ユーザー/書類/の中にファイルを保存するようになっています。
他のディスクを用意するように書いておきながら・・矛盾を感じつつも、起動ディスクへの録音は特にProToolsでは非対応とされていますので専用のハードディスクを選択しましょう。
MacBook Proの起動OS『Mac OS X 10.7』とデュアルドライブで録音用のハードディスク『Data Disk』を増設していますのでData Diskを選択し音楽用の保存先として「Session Folder」を作りその中をファイルの保存先として設定しました。
え~大変長くなりましたが、この設定は意味を理解してしまえばここまで20秒で終わりますのでっ。
テンプレートといい、自分の好みで設定をし、作曲、録音準備を整えたファイルを作成して保存しておくとテンプレートファイルをダブルクリックするだけですぐに音楽制作に取りかかることもできます。
次回はデュアルドライブで増設したSATAのハードディスクとFireWire接続したハードディスクの限界にせまってみたいと思います。