以前より弊社で扱っておりました「POWERSTEP VESA T3」は、Intel NUCの第10世代Coreプロセッサー搭載モデルをベースにカスタマイズしてご提供しておりましたが、6月17日よりベースを第11世代Coreプロセッサー搭載モデルへリニューアルしました!そこで今回は、第10世代Coreプロセッサー搭載のPOWERSTEP VESA T3(以下、旧VESA T3)と第11世代Coreプロセッサー搭載のPOWERSTEP VESA T3(以下、新VESA T3)にどのような違いがあるのか比較してみました。

POWERSTEP VESA T3の活用方法については過去の記事もご覧ください!

製品の仕様を比較してみた

まずは製品の仕様について気になる点をピックアップしてみました。

  旧VESA T3 新VESA T3
CPU 第10世代Coreプロセッサー 第11世代Coreプロセッサー
メモリ DDR4-2666 DDR4-3200
Thunderbolt 3 1ポート 2ポート
映像出力 HDMI
USB Type C

HDMI
USB Type C
Mini DisplayPort

サイズ 117 mm(W) × 112 mm(D) × 51 mm(H) 117 mm(W) × 112 mm(D) × 51 mm(H)

CPU

新旧VESA T3の最大の違いはやはりCPUです。新VESA T3では第11世代になり単純な処理性能が上がったのはもちろん、内蔵GPUがIntel Iris Xeグラフィックスになったことでグラフィック性能も大幅に向上しています!CPUのベンチマークについては後ほどご紹介します。

メモリ

旧VESA T3ではDDR4-2666を搭載していましたが、新VESA T3はDDR4-3200が搭載可能です。メモリのクロック数が増えると一度に送ることができるデータ量が増えるので、処理速度のアップが期待できます

Thunderbolt 3

新VESA T3ではThunderbolt 3ポートが2つになりました。ポートが増えたことでデイジーチェーンが使えなくても複数のThunderbolt 3機器が利用できるようになりました!ポートの場所についても、旧VESA T3では背面だけだったのが新VESA T3では正面にも1つあるので、持ち運び用のストレージといった抜き差しの多い製品が使いやすくなりました

映像出力

映像出力については、表示できる画面数が旧VESA T3ではHDMI 2.0b 1つとUSB Type C(Display Alt-mode)2つの合計3画面でしたが、新VESA T3ではMini DisplayPortが追加され、合計4画面表示できます!従来より出力できる解像度の上限が高い(新VESA T3では7680×4320@60Hzに対応)ため、より綺麗な映像を出力したい場合にもおすすめです。

サイズ

スペックが向上し、インターフェイスもより充実していながらサイズは据え置きとなっています!旧VESA T3の設置のしやすさはそのままに性能は向上している新VESA T3はまさに後継品としてふさわしい製品です。

ベンチマークを比較してみた

旧VESA T3と新VESA T3の性能を比較するため、今回は3種類のベンチマークを行いました!比較に使ったマシンは旧VESA T3のCore i5モデルと新VESA T3のCore i5モデルです。

CINEBENCH R23

CINEBENCHはCPUにレンダリング処理をさせ、その速度をスコアとして表示してくれるベンチマークソフトです。マルチコア性能とシングルコア性能のスコアを測定し、ランキングで他のCPUと性能を比較することができます。

旧VESA T3のCINEBENCH R23実行結果

新VESA T3のCINEBENCH R23実行結果

CINEBENCH R23を実行した結果、マルチコア性能もシングルコア性能も上がっていることがわかりました!ランキングを見ても、旧VESA T3は真ん中あたりだったのが新VESA T3は3位にランクインしています。処理速度が向上することで作業効率の向上も期待できるのではないでしょうか。

3DMark Time Spy(V1.2)

3DMarkは3Dの描画性能に関するベンチマークソフトで、Time SpyはDirectX 12を利用したテストになります。DirectXは主にゲームの3D描画に利用されています。

旧VESA T3の3DMark Time Spy実行結果

新VESA T3の3DMark Time Spy実行結果

新旧VESA T3で3DMark Time Spyを実行した結果、新VESA T3のスコアが旧VESA T3のスコアの約2.4 倍と大幅にアップしていることがわかりました!やはり内蔵GPUがIntel Iris Xe Graphicsになったことで描画性能がかなり向上しているようです。今まではグラフィックボードが必要だった作業も、ちょっとしたものであれば内蔵GPUだけでこなせるのではないでしょうか。

ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク

オンラインゲームの「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ」がどれくらいのパフォーマンスで動作するかを調べるベンチマークソフトです。先ほどまでのベンチマークで新VESA T3の性能がいかに高いのか分かりましたので、具体的にどれくらいパフォーマンスに影響するのかをこのソフトで調べてみます。

旧VESA T3のFF14ベンチマーク実行結果

新VESA T3のFF14ベンチマーク実行結果

ベンチマークの結果、旧VESA T3では評価が「設定変更を推奨」だったのに対し、新VESA T3では「やや快適」となりました!「やや快適」は8段階ある評価の中でも上から4番目で、公式ページでは「標準的な動作が見込めます。余裕があればグラフィック設定の調整をお勧めします。」と説明されています。高い評価ではありませんが、グラフィックボード無しに標準的な動作が見込めると考えるとかなり優秀なのではないでしょうか。

まとめ

旧VESA T3と新VESA T3を比較した結果、インターフェイスが増えたことにより利便性が増し、CPU性能が上がったことにより処理能力が向上していることがわかりました!旧VESA T3も小型で使いやすい製品でしたが、新VESA T3はそれにも増して活用の場が広がりそうです!
筆者の個人的には、PCゲームというとグラフィックボードが必要というイメージがあったので、内蔵GPUだけで動作可能というのは驚きでした。

また、今回実験に使用したのはCore i5搭載モデルでしたが、御見積ではCore i3, i7を選択することも可能です!他にもメモリやストレージの搭載量も変更できますので、ぜひ用途に合わせたカスタマイズをお選びください!

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