10Gbps対応のイーサネットポートやCFexpress Type B/UHS-II SDカードスロットなど、ハイエンド向けの機能を多数搭載したThunderbolt 3対応ドッキングステーション「OWC Thunderbolt Pro Dock」が2022年7月29日に発売となります。
この製品はOWCのハイエンド向けドック「OWC Thunderbolt 3 Pro Dock」の一部機能を変更した後継製品となっています。
今回はこの新製品について、既存製品と比較ながら外観や各機能の詳細についてご紹介いたします!

OWC Thunderbolt Pro Dockの概要

OWC Thunderbolt Pro Dock(以下、「本製品」と表記します)は、Thunderbolt 3対応ポート経由でパソコン・タブレットに様々な機能を追加することができるドッキングステーションです。

OWCでは他にもUSB対応のドッキングステーション製品を複数リリースしていますが、それらと違い本製品はThunderbolt 3対応ポート専用となります。
USB Type-Cポートには複数の種類があり、本製品を接続できるのはThunderbolt 3またはThunderbolt 4に対応したパソコン・タブレットのみとなりますので注意が必要です。
本製品をパソコン・タブレットへThunderboltケーブル1本で接続するだけで、各種Thunderbolt/USB機器に加えてDisplayPort対応モニター、10Gbps高速ネットワーク、CFexpress Type B/SDカードなど多彩な機器を増設することができます。

また本製品はUSB Power Delivery(USB PD)に対応しており、接続されたパソコン・タブレットまたはThunderbolt/USB機器へ最大85Wの電力供給が可能です。

なお本製品にはパソコン・タブレットへの接続用としてThunderbolt 4ケーブルが付属しますが、本製品自体はThunderbolt 3用のためThunderbolt機器を複数同時に接続するハブ機能は搭載していません。(Thunderbolt機器のデイジーチェーン接続は可能)

OWC Thunderbolt Pro Dockの各機能をチェック!

他のドッキングステーション製品と同様に、本製品もThunderboltケーブル1本で様々な機器を増設できます。
それでは、旧製品のOWC Thunderbolt 3 Pro Dock(以下、「旧製品」と表記します)と比べながら、本製品に装備された各機能を写真で確認してみましょう。
写真左側が本製品、右側が旧製品です。
まずは本体の前面から。
本体前面には両機種ともに、USB Type-Aポート1基と2種類のメモリーカード用スロットが搭載されています。
ただしメモリーカードスロットは旧製品がUHS-II対応のSDカードとCFast 2.0用だったのに対し、本製品ではSDカードスロットはそのまま継承しつつ、もう一つのスロットがCFexpress Type Bカード用スロットに変更されています。これは映像機器のトレンドに合わせたアップデートと言えますね!
なおこの写真では、本製品のCFexpressカードスロットに付属の青いスロットカバーが装着されています。スロットカバーはCFexpress用のみでSDカード用は付属していません。
さらにUSB Type-Aポートも旧製品のUSB 3.1 Gen 1(5Gb/s)から本製品ではUSB 3.2(10Gb/s)へ変更され性能がアップ しています。
なお旧製品の中央付近に見える小さい穴はファンステータスLEDといって、後述する背面のファンスイッチと連動するものですが、本製品はファンレス構造のためこのLEDも存在しません。


続いて背面側の比較です。
本製品の本体背面には左から順に、10Gb/s対応のUSB Type-Cポート、同じく10Gb/sに対応した2つのUSB  Type-Aポート、10Gbps対応イーサネット、PCおよびデイジーチェーン接続用のThunderbolt 3ポート、そして画面出力用のDisplayPortが並んでいます。右端は付属のACアダプターをつなぐ入力端子です。

旧製品では左端にeSATAポートが搭載されてますが、現時点でeSATAデバイスの需要はほとんどないと思うのでUSB-Cへの変更は現実的な対応ですね。
2つのUSB Type-Aポートについては前面ポートと同様に、旧製品がUSB 3.1 Gen 1仕様だったものから本製品では10Gb/s仕様にアップグレードされました。
10Gbps対応イーサネットポートは新旧製品で共通の仕様となっています。

そして前面部分でも触れた、旧製品にのみ搭載されるファンスイッチです。
旧製品では10Gbpsネットワーク用のチップなどから発生する熱を放出するためのファンが動作しており、ファンの音が気になる場合ときに動作を一時的に止めるための機能としてファンスイッチが装備されていました。
しかし本製品ではアルミ製の筐体全体を使って放熱するファンレス構造へと変更になったので、このスイッチも搭載されていません。

背面に2つのThunderbolt 3ポートが搭載されている点は新旧製品共通で、どちらのポートもパソコンとThunderbolt/USB機器の接続に使用可能です。
ただしポートごとにUSB Power Delivery(USB PD)で供給できる電力容量が異なります。
旧製品では60W+15Wの組み合わせでしたが、本製品では85W+15Wと供給できる最大容量が増えました。
旧製品の60Wだと今どきのノートパソコンに充電するには足りない場合もあるので、これは嬉しい変更ですね!

そして最後に画面出力用のDisplayPortですが、こちらも旧製品の4K対応DisplayPort 1.2から、本製品では8Kまで出力可能なDisplayPort 1.4へと更新されています。
本体上面のデザインは両製品とまったく変わらず、双方に電源LED(OWCのロゴ部分)のみが搭載されています。真上から見ただけでは区別がつきませんね。

ハイエンド向けThunderbolt ドッキングステーションとしては避けられない宿命として(?)本製品のACアダプターもやや大きめとなっています。
本製品はUSB PDの供給電力がアップしたこともあり、豊富な高機能を安定して動作させるためにこの大きさは必須と言えるのかもしれません。

Thunderbolt / USB 4ポート搭載 iPad Proでも使えます!

旧製品になかった仕様として、本製品はThunderbolt / USB 4ポートを搭載したiPad Proにも対応しています!もちろん従来のドッキングステーション製品と同様に、M1シリーズ搭載機種を含むMacBook ProやWindows PCでもお使いいただけますよ!

動作対象機種なので当然ですが、本製品に搭載された機能は10Gbpsネットワークも含めてすべてThunderbolt / USB 4ポートを搭載したiPad Proでも動作します!

iPad Proと本製品の各機能を組み合わせて実際に使ってみた検証の結果については、次回のブログでご紹介させていただく予定です!

新機能CFexpress Type Bスロットのスピードは?

本製品の新機能であるCFexpress Type Bカードスロットのスピードについても確認してみました。
CFexpessは主にハイエンドな動画・静止画用のカメラで採用されている規格で、8K/4Kレベルの高解像度撮影に必要な速度で読み書きできるメモリーカードです。

旧製品で搭載されていたCFastカードは初期の4K対応カメラなどで使われていましたが、現在はそれに代わって多くのカメラがCFexpressに対応しており、本製品の仕様変更もこのトレンドに合わせたものです。
なお「Type B」という名前のとおり、CFexpressカードにはいくつか種類があり、本製品で読み書きできるCFexpressはType Bのカードのみとなります。

ではまず、比較用に旧製品に搭載されていたCFastスロットをWindows PCで計測した際のベンチマーク結果を見てみましょう。
メモリーカードは「Wise CFast 2.0 メモリーカード」を使用しています。
CFastカードの最大転送速度は525MB/秒なので、おおよそ性能どおりの数値と言えます。

そして本製品のCFexpress Type Bスロットの結果です。

メモリーカードは「Wise CFexpress Type B カード CFX-B PROシリーズ」を使用しました。
こちらはカード自体の速度が1700MB/秒ということもあり、その速度性能を本製品を通してほぼ最大限に発揮しています!
この速度によってハイエンドカメラで8KのRAW動画を撮影した後、本製品を使って編集時用のパソコンへ高速に取り込むことができるのです。

従来製品からトレンドに合わせて改良された、デジタルビデオなどの大容量データを取り扱う作業におすすめのハイエンドドッキングステーション!

ここまで見て来たとおり本製品は、従来製品で好評だった機能はそのままに、一部の機能をトレンドに合わせてアップグレードしたハイエンド仕様のドッキングステーションとなっています。
特に本製品の新規機能であるCFexpress  Type Bスロットで読み書きできるカードに対応したハイエンドカメラをお使いの方なら、カードに収録されたコンテンツデータをThunderbolt経由でMacやiPadに高速で取り込んで保存・編集することができます。
さらに本製品経由で接続された大画面モニターを使って取り込んだデータを編集し、出来上がったデータをThunderboltストレージに保存したり、10Gbpsネットワークを使って他のパソコンやサーバー、NASなどへ素早く転送することもできます。
もちろんビデオ以外の分野でも、クリエイティブな作業でThunderbolt 3に対応したノートパソコンやiPadをお使いの方にはお勧めの製品です!

以上、Thunderbolt 3対応ドッキングステーション「OWC Thunderbolt Pro Dock」のご紹介でした。本製品は2022年7月29日発売予定です!

OWC Thunderbolt Pro Dock ¥85,000(税込)

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