EZCast ProAVシリーズは、HDMI映像信号のマルチキャストを実現する製品です。「有線LANモデル」と「ワイヤレスモデル」の2種類があります。

今回、有線LANモデルと無線LANモデルを組み合わせた例を実験しましたので、製品のご紹介がてら、実験のご報告をいたします!

まずはワイヤレスモデルの特徴

凶暴な(?)ツノタイプ

映像出力元とディスプレイ間のHDMIケーブルがいらないので、準備・片付けが簡単!とにかく設定も操作も手軽&簡単!

ワイヤレスモデルはペアリングさえ成功すれば、あとはもう超簡単!!設定も簡単で使い勝手の良い製品なので、製品担当者イチオシです。

上の写真では、飛距離10〜15m程度で、同室内・受信機3台で同時映像出力の実験を行っています。このときは映像遅延は0.07〜0.08秒程度におさまりました(遅延があって当たり前な無線にしては、なかなか優秀ではないかと思いますがいかがでしょう?)

操作は簡単!接続台数と距離は?

やや難点と言えば、受信機の接続台数が増えると、映像の遅延や停止が発生する可能性が高まることでしょうか。

また、無線通信(Wi-Fi)の性能上、接続台数が増えるにつれ、送受信機間の接続距離はどうしても短くなってしまいます。このため、距離によってはディスプレイへの映像出力がうまくいかないこともあり得ます。

こういった理由から、弊社ではワイヤレスモデルの同時接続は受信機2〜4台程度を推奨しております!

次に、有線LANモデルの特徴

おとなしいツノなしタイプ

一方、同シリーズの有線LANモデルは、ワイヤレスモデル同様に映像出力元とディスプレイ間のHDMIケーブルは不要なものの、送信機・受信機間をLANケーブルで接続します。HDMIケーブルって、5m以上になると、映像が乱れたり遅延が出たりと、ちょーーっと使うのが億劫になりますよね…。

しかし、この製品はネットワーク経由で接続するので、有線LANのケーブルさえ届けば映像転送ができるわけですから、パーテーションがあろうと、別室や別のフロアでも、ディスプレイに映像を届けることができます。

別室に設置したディスプレイへの映像出力例

無線と違ってLANケーブルさえ接続できれば映像配信ができますから、電波を遮る壁を壊すなどの、アグレッシブな作業も不要です!!

有線LANモデルなら不要

また、物理的にケーブルで接続するので、映像の停止・遅延等は比較的少なく、通信が安定していることも美点です。

やっぱり有線LANは素晴らしい

そして、なんといっても有線LANモデルの最大の特徴は同時に最大238台(理論値)まで接続できるところかと思います!!!

また、個人的には「リーズナブル」なところも、オススメポイントです!

ハイクオリティな映像・音声を取り扱うプロの方々向けに、8Kや16K対応で、さらに遅延もほぼないという、見た目もかっこよくて超高性能な映像転送機器を展示会で拝見したことがありますが、お、お、お値段が・・・。。。

もし弊社で導入したら、会議室が200万円以上するスーパープレミアム会議室DXになってしまいます。おそろしくて会議室に足を踏み入れることができなくなりそうです。

それに引き換え、EZCast ProAVの有線LANモデルは、さきほどの図と同じ送信機1台・受信機6台でも、15万円未満で済みます!!

無線と有線を組み合わせてみたら…?

それぞれ特徴があるワイヤレスモデルと有線LANモデル。そこで我々は考えました。

ワイヤレスモデルと有線LANモデルを組み合わせれば、もっと自由な構成ができるのでは?

例えば参加人数の多い、大規模な会議。

イメージ図

講演台に発表用のパソコンを設置し、比較的パソコンに近いディスプレイAとBはワイヤレスモデルで映像出力し、後方にあるディスプレイCとDは有線LANモデルと接続。

ツノがある方がワイレスモデル


映像出力元(講演台の発表者のパソコン)から近距離はワイヤレス、遠距離は有線LANで接続し、大会議室のモニター複数台に同時に映像を出力することができるはず。
さらに、有線LANケーブルを接続することができれば、ディスプレイを設置して大会議室とは別のお部屋や、廊下に設置したディスプレイにも映像配信をすることだってできます。

そう、理論上は可能なんです!!

とはいえ、本当に実現できるのでしょうか!?某小学生に「オマエの言うことは机上の空論!」などと言われないためにも、実験してきました!

今回の実験

EZcast ProAVシリーズのワイヤレスモデル×有線LANモデルの組み合わせで、映像同時出力ができるか?

■設置方法・構成

下図のようなイメージで設置します。

①パソコンをHDMIケーブルでET02送信機と接続

②ET02送信機は、イーサネットケーブルで③ネットワークスイッチと接続し、かつHDMI(出力)ポートと④WT02送信機のHDMI(入力ポート)と接続

③ネットワークスイッチとER02受信機を接続、ER02受信機とHDMIケーブルで接続してディスプレイに映像出力

さらに、④WT02送信機からWR02受信機へワイヤレスで映像転送。WR02受信機とディスプレイはHDMIケーブルで接続して映像出力

①→②はHDMIケーブルで接続、②→③から先のディスプレイへの接続はLANケーブルで接続。
②→④もHDMIケーブルで接続しますが、④から先はワイヤレスでの接続です。

■用意するもの

・パソコン(映像出力元)
EZCast ProAV ET02送信機(有線LANモデル)
EZCast ProAV ER02受信機(有線LANモデル)
EZCast ProAV WT02送信機(ワイヤレスモデル)
EZCast ProAV WR02受信機(ワイヤレスモデル)
・ディスプレイ
・HDMIケーブル
・ネットワークケーブル
・ネットワークスイッチ

■実験場所

今回は江戸川区の船堀コミュニティ会館のお部屋をお借りしました。最大約80名ほど収容可能で、ダンスのレッスン等にも使用できるそうです。どことなく小学校の「視聴覚室」を思い出させる、ノスタルジーな雰囲気のお部屋ですね。
・・・・そうでもないですね。

それでは、機材を設置していきましょう。

画面左側・手前にある長机に映像出力元のPCを設置。さらにPCとET02送信機(有線LANモデル)をHDMIケーブルで接続。長机上にあるディスプレイ2台はどちらもER02受信機に接続し、それぞれ5m50cm20mのLANケーブルで接続します。

更に、ET02の送信機のHDMI出力ポートとWT02送信機(ワイヤレス)のHDMI入力ポートを接続。WT02送信機から、奥にある2台のWR02受信機(ワイヤレスモデル)へ映像信号を無線で飛ばします。

■結果は動画でどうぞ!

それでは映像同時出力を実際にやってみた動画をご覧ください!実験には有名なこちらの動画を使用させていただきました。

<全体>

<奥のWR02受信機>

ご覧の通り、有線×無線のマルチキャストに成功しました!

その場に立ち会ったにも関わらず、改めて有線×無線混合マルチキャストの映像を見て「おお〜!ちゃんと動いてる!」と感動しております。ワイヤレスモデルくんも有線LANモデルくんも頑張ってますね。

今回お借りしたお部屋はパーテーションなどの障害物もなく、また実験に同席したのも少人数でした。スマホなどの電波干渉の影響も少なかったおかげか、ワイヤレスモデルで接続した奥の2台も、さほど遅延・映像の停止は見られませんでした!

まとめ:有線LANモデルとワイヤレスモデルを組み合わせて、さらに自由なレイアウトが可能!

FREE LAYOUT!!

今回の実験にて、「有線LANモデルとワイヤレスモデルを組み合わせて映像を複数に出力することができる」ということがわかりました。画期的な発見です。ノーベルアミュレット賞!!

大事なお客様がいらっしゃる席のディスプレイは通信の安定性が高い有線LANモデルで接続し、社内の人が座る席にはワイヤレスモデルを設置する、などの使い分けもできますね。

また、次の図のような構成も可能です。

会議室Aから会議室B〜Fまで、社内LANを経由して有線LANモデルで映像信号を転送し、有線LANモデルの受信機の「HDMI OUT(出力)」とワイヤレスモデルの送信機「HDMI IN(入力)」を接続。あとは各会議室内でワイヤレスモデルで複数のディスプレイへ映像を飛ばす。
LANケーブルの長ささえ気をつければ、理論的にはこの構成で全会議室に同じ映像を同時出力することが可能です!

ただし、有線×無線を組み合わせた構成を導入したいという企業様は、事前にデモ機による現地確認をお願いします!何卒!!

なぜかと言いますと、製品自体に特段問題がなくとも、ネットワーク環境やセキュリティの設定によって、既存のネットワークで正常に動作しない可能性もあり得るからです…。

必ず、事前にデモ機での動作確認をお願い致します!!

本製品のお問い合わせは下記URLから!

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