ハードウェアRAIDに加えて、3ポートのUSBハブ機能も備えたUSB 3.2 Gen 2対応2ベイケース「OWC Mercury Elite Pro Dual – USB-C」が2022年1月21日に発売となります。
今回はこの新製品について、既存製品と比較して外観の違いやUSBハブ機能、そしてMacとWindowsでのベンチマーク結果について確認してみました!

OWC Mercury Elite Pro Dual – USB-Cの概要

OWC Mercury Elite Pro Dual – USB-C (以下、「本製品」と表記します)は、 USB 3.2 Gen 2接続に対応した2ベイ外付けハードディスクケースです。
ミラーリング(RAID 1)およびストライピング(RAID 0)に対応したハードウェアRAID機能を搭載しているので、用途にあった方法で大容量のデータを保存できます。
またストレージ機能に加えて3ポート(USB Type-C x1、USB Type-A x2)のUSBハブ機能も搭載しており、本製品を経由してストレージやマウス、キーボードなどのUSB機器をパソコンへ接続可能です。

本製品の外観は、既存のThunderbolt 3対応製品「OWC Mercury Elite Pro Dock」 (以下、「Elite Pro Dock」と表記します)とよく似ています。
では実際に写真で比較しながら、両製品の違いを確認してみましょう。以下すべて、左側が本製品になります。
正面のレイアウトはほぼ同様です。一見するとボディーカラー以外は全く同じに見えてしまいますね。
機能面で見ると、電源LED(中央上部のOWCロゴ)とその上下に配置されたHDDアクセスLEDのレイアウトは共通しています。唯一の違いとしてElite Pro Dockにのみ、中央下部に本製品には無いSDカードスロットが搭載されています。

次は背面を比較してみましょう。
こちらは正面と異なり各所に違いがみられます。
まず分かるのが、本製品左上に配置されたRAID設定ダイヤルです。Elite Pro Dockでは位置が異なり右下に配置されています。
このダイヤルでミラーリングやストライピングなどのRAIDモードが選択できるのは両製品で共通です。ただし、ダイヤルを切り替えた後電源ONで決定されるElite Pro Dockに対して、本製品ではダイヤル変更後にパソコンにつないでから、ダイヤル下のモード変更ボタン(”Set RAID”という表示の部分)を押して決定する、という手順になっています。
中央左側には双方とも2つのUSB-Cポート(Elite Pro DockはThunderbolt 3ポート)が上下に並んでいます。
ただし2つのポートの役割は両製品で異なり、本製品の上側のポートはPC接続用、下側のポートはUSBハブとしての機器接続用となっています。
一方Elite Pro DockはThunderbolt 3の仕様により、上下どちらのポートでもPCに接続して、もう一方のポートをデイジーチェーン用として他の機器の接続に使うことができます。
なお、Elite Pro DockはThunderbolt 3ポートからUSB-PDによるパソコンへの電力供給が可能ですが、本製品のPC接続用ポートからパソコンへ電力は供給されません。
この他、Elite Pro DockにあるLANポートとDisplayPortは本製品には搭載されていません。ハブ機能用のUSB Type-Aポートのみが2つ、USB-Cポートの下に装備されています。
なお本製品にハブ機能用として搭載されたの3つのUSBポートからは、Type-Cポートで最大15W、Type-Aポートでは最大4.5Wのバスパワーがそれぞれ供給されます。

背面各機能のレイアウトは、ハブ機能付きストレージである本製品と、ストレージ付きドッキングステーションであるElite Pro Dockの違いが大きく反映されている部分と言えますね。

最後に側面です。こちらはボディーカラーと製品ロゴ以外に違いはありません。サイズも同等です。

本製品とElite Pro Dockは筐体のサイズやデザインはよく似ていますが、Thunderbolt 3の帯域を活かしてストレージ機能付ドッキングステーションとして構成されたElite Pro Dockと、USB 3.2 Gen 2をフルに使った高速・大容量ストレージ機能に主眼を置きハブ機能のみを追加した本製品、それぞれの違いが外観にしっかりと反映されていますね。

なお、本製品の電源は外付けのACアダプターになっています。

OWC Mercury Elite Pro Dual – USB-Cのいいところ

本製品の特徴はここまでご紹介してきたとおり、2台のドライブを使ってミラーリングやストライピングを構成できるハードウェアRAID3ポートのUSBハブ機能です!
ハブ用ポートに他のストレージ機器やキーボード/マウスなどを繋いで、ノートパソコンなどのちょっとした拡張に使えます。
なお、本製品のハブ用Type-Cポートに画面出力用の「NewerTech USB-C to HDMI Adapter」を接続しても動作しませんでした。残念ながらAlternate Mode(Alt Mode/オルタネートモード)には対応していないようです。

またハードウェアRAIDについては、ソフトウェアRAIDと比較してOSに依存せず使えることや、Windowsなどシステム環境によってはソフトウェアRAIDより速度が向上するなどのメリットがあります。
特にWindows 10でソフトウェアRAIDに類する機能として搭載されている「記憶域スペース/記憶域プール」は速度的なパフォーマンスが出にくい傾向があります。
では実際に本製品のベンチマーク結果がどうなるのか、次に見ていきましょう。

Mac&Windowsでベンチマーク計測

今回はCrucial MX500 500GB SSD 2台を使い、本製品のハードウェアRAID機能でRAID 0(ストライピング)を設定してmacOSとWindows 10それぞれについてベンチマーク計測してみました。
本製品での計測結果を、ソフトウェアRAID対応の4ベイケース「OWC Mercury Elite Pro Quad」でSSD 4台 を使いRAID 0を構成した場合と比較してみましょう。

まずはmacOSの計測結果です。計測にはMacBook Pro 13インチモデル(Late 2016)を使用しています。
左側が本製品、右がOWC Mercury Elite Pro Quad(ソフトウェアRAID)のものになります。

OWC Mercury Elite Pro Quad(以下「Elite Pro Quad」)でソフトウェアRAIDを構成した場合と比較するとリードが1.4倍高速で、ライトは若干落ちますがほぼ同等ですね。

次はWindowsでの結果です。こちらはLenovo ThinkBook 13s Gen 2(Core i7)で計測しています。
上と同様に左側が本製品の結果です。

こちらはElite Pro QuadでソフトウェアRAIDを構成した場合と比較すると、リード・ライトともに大幅アップという結果になりました!リードについてはSSDの台数が半分なのに速度はほぼ2倍です!
前述のとおりWindowsの場合、「記憶域」が速度面でのパフォーマンスを出しにくい仕組みのため、速度重視ならハードウェアRAIDの本製品の方が圧倒的に有利ですね。

ハードウェアRAIDで環境を選ばずに高速・大容量ストレージを構築できる2ベイケース

ここまで見てきたとおり、本製品はThunderbolt 3対応ドッキングステーション「OWC Mercury Elite Pro Dock」と共通のデザインを持ちながら、USB対応のRAIDストレージ+ハブというシンプルな機能に絞って構成された製品となっています。
ハードウェアRAIDの性能は必要十分で、特にWindows 10のようなソフトRAIDで速度を出しにくい環境には最適な製品です。
またUSBハブ機能も活かせばストレージ付きドッキングステーション的にも使えますね!

以上、USB 3.2 Gen 2対応 2ベイストレージ新製品「OWC Mercury Elite Pro Dual – USB-C」のご紹介でした!本製品は2022年1月21日発売予定です!

OWC Mercury Elite Pro Dual – USB-C ¥26,200(税込)

(アミュレット オンライン・ショッピング /Amazon.co.jp / Yahoo!ショッピング

OWC Mercury Elite Pro Dual – USB-C製品ページ