この度弊社の扱っているコンパクトパソコン「POWERSTEP VESA」が新モデルにリニューアルしました!新モデルではIntelの新しいCPUである「Core Ultraシリーズ」を搭載しています!IntelのCPUといえば従来は「Core i シリーズ」のイメージが強いですが、「Core Ultraシリーズ」はどれくらいの性能が出るのでしょうか?POWERSTEP VESAを使って検証していきます。
POWERSTEP VESAのスペック

- CPU
Intel Core Ultra 5 125H 14コア18スレッド - メモリ
32 GB DDR5 5600 MHz SODIMM - ストレージ
Crucial P5 Plus 1TB PCIe M.2 2280SS SSD
使用したベンチマークソフト
Windows
- Cinebench 2024
CPUまたはGPUのレンダリング性能測定 - Blender Benchmark
GPUのレンダリング性能測定 - CrystalDiskMark
ストレージの読み書き速度測定 - iPerf3
ネットワーク速度測定
Linux
- SysBench
CPU性能測定 - Mysqlslap
データベース性能測定
Cinebench 2024
Cinebench 2024はCPUのベンチマークソフトとして有名なCinebenchの最新バージョンです。CPUのマルチコア、シングルコアでのレンダリング性能測定できるソフトウェアです。
まずはマルチコアの性能から測定していきます。
CinebenchのCPU(Multi Core)を実行した結果「775」というスコアが出ました。ランキングを見るとApple M1 Maxと近いスコアのようです。Intel Core Ultra 5 125Hはノートパソコン向けのCPUですので同等でも不思議では無いですね。
次はシングルコア性能もチェックしてみましょう!
シングルコア性能のスコアは「103」とApple M1の一つ下という結果でした。一般的なオフィスワーク程度であれば十分ですが、より高い性能が欲しい場合には「POWERSTEP Tower」のようなタワー型デスクトップパソコンの方が良さそうですね。
Blender Benchmark
Blenderは色々な機能がありますが主に3Dモデリングに多く利用されているソフトウェアです。多機能ながらライセンス料が無料でクロスプラットフォームに対応していることからアマチュアのユーザーに多く利用されています。
グラフィックボードは搭載していないPOWERSTEP VESAですがどれくらいのスコアが出るでしょうか。
グラフィックボードを搭載していないのでやはりスコアはあまり振るわなかったですね。POWERSTEP VESAでクリエイティブな作業をする場合は「AKiTiO Node Titan」のような外付けGPUボックスを利用するか「POWERSTEP Tower」を利用するのが良さそうです。
CrystalDiskMark
CrystalDiskMarkはストレージの読み書き速度を測定する定番のベンチマークソフトで過去の記事でも度々紹介しています。
測定の結果メーカー公称値以上の速度が出ていました!最新のPOWERSTEP VESAはPCIe Gen 4仕様のM.2 SSDに対応していますが十分な性能が発揮できることがわかりました。これだけストレージの速度が出ればストレスなくオフィスワークできそうですね!
iPerf3
iPerf3はネットワークの通信速度を測定するベンチマークソフトです。POWERSTEP VESAは2.5 GbEのLANポートを搭載していますが実際にどれくらいの速度が出るのか測定してみました。
測定の結果「2.35 Gbits/sec」とほぼ理論値の速度が出ていました!ネットワークも十分な速度が出るようですね!
SysBench
ここまではWindowsで性能を測定していましたが、ここからはLinuxでも性能が発揮できるのかどうか検証をしていきます。
SysBenchはLinux上で動作するベンチマークソフトでCPUやメモリ、ストレージの読み書き速度などの性能測定ができるソフトウェアです。
今回はRocky Linux上のSysBenchでCPU性能を測定してみました。
sysbench 1.0.20 (using system LuaJIT 2.1.0-beta3) Running the test with following options: Number of threads: 1 Initializing random number generator from current time Prime numbers limit: 10000 Initializing worker threads... Threads started! CPU speed: events per second: 3780.17 General statistics: total time: 10.0003s total number of events: 37810 Latency (ms): min: 0.26 avg: 0.26 max: 1.70 95th percentile: 0.28 sum: 9997.25 Threads fairness: events (avg/stddev): 37810.0000/0.00 execution time (avg/stddev): 9.9973/0.00
測定した結果「37810」というスコアが出ました!こちらに載っているスコアと比較したところIntel Core i5-12600Kと近いようです。数世代前のCPUとはいえデスクトップ向けCPUと同じスコアと考えるとLinuxでも性能は十分出ていそうですね。
Mysqlslap
Mysqlslapはデータベース管理システムの一つであるMysqlが公式にサポートしているプログラムでMysqlの負荷をエミュレートすることができます。前回POWERSTEP Towerの検証をしたときと同様に以下のコマンドを実行しました。
# mysqlslap -uroot -p -P 3306 -h localhost --auto-generate-sql --iterations=200 --concurrency=50
「–iterations」は実行するテストの回数、「–concurrency=50」はエミュレートするクライアントの数を指定するオプションです。
結果は以下のようになりました。
Benchmark Average number of seconds to run all queries: 0.043 seconds Minimum number of seconds to run all queries: 0.031 seconds Maximum number of seconds to run all queries: 0.069 seconds Number of clients running queries: 50 Average number of queries per client: 0
結果にはクエリの平均・最小・最大実行時間が表示されます。今回は平均0.043秒、最小0.031秒、最大0.069秒という結果になりました。
POWERSTEP Towerと比べると2倍ほど実行時間がかかっていました。POWERSTEP VESAはサーバよりクライアントとして活用するほうが向いていそうです。
まとめ
今回は新しくなったPOWERSTEP VESAで色々なベンチマークを採ることで様々な観点から評価してみました!
処理性能の面ではやはりタワー型のデスクトップパソコンほどの性能はありませんでしたが、ストレージやネットワークの速度は十分に出ていることがわかりました!一般的なオフィスワークであれば快適にこなすことができそうですね!
クリエイティブな業務やサーバとしての用途にはあまり向いていないので、そういった場合には「POWERSTEP Tower」がおすすめです!こちらの記事ではPOWERSTEP Towerで同じベンチマークソフトを実行しているのでぜひ見比べてみてください!
また、今回の記事ではPOWERSTEP VESAの標準構成モデルを使用しましたが、お客様のご希望に応じて性能やストレージ容量を強化することも可能です!詳しくは製品ページやBTOページをチェックしてみてください!