先日「第12世代Intel CPUを搭載したタワー型デスクトップPCを作ってみた!」の記事の通りPOWERSTEP TowerがZ690に対応しましたが、それに引き続きPOWERSTEP CubeもZ690に対応しました!POWERSTEP CubeはTowerとほぼ同等のパーツを使っていながらサイズを半分程度に抑えたキューブ型デスクトップPCです。

省スペースなキューブ型デスクトップPC!

左:POWERSTEP Tower 右:POWERSTEP Cube

奥:POWERSTEP Tower 手前:POWERSTEP Cube

POWERSTEP Cubeのサイズは幅222 mm、奥行き276 mm、高さ176 mmととてもコンパクトです。弊社のミドルタワー型BTOパソコン「POWERSTEP Tower」と大きさを比較してみると、Cubeの大きさはTowerの半分以下であることがわかります。これなら机の上や足元に置いても邪魔になりません!

また、Wi-Fi 6に対応しているためLANケーブルを接続しなくてもネットワークに接続できます!LANケーブルを敷設したくない方や敷設できない場所に設置したい方にもおすすめです。

このPOWERSTEP CubeにUbuntu 20.04 LTSをインストールしPhoronix Test Suiteでベンチマークを計測してみました!

使用する機材

■POWERSTEP Cube(キューブ型デスクトップPC)

POWERSTEP Cube

今回使うPOWERSTEP CubeのCPUは標準構成であるIntel Core i5-12600を搭載しています。

■POWERSTEP VESA T3(小型デスクトップPC)

POWERSTEP VESA T3

比較対象としてPOWERSTEP Cubeよりさらに小型のデスクトップPCであるPOWERSTEP VESA T3を使用しました。サイズは約11 cm四方、高さ約5 cmという小ささですが、CPUはモバイル向けで一世代前のi5-1135G7を搭載しています。

■その他

モニター、キーボード、マウスなど。

使用するソフトウェア

■OS:Ubuntu 20.04 LTS

■Phoronix Test Suite 10.8.4(公式サイト
LinuxだけでなくWindowsやMacでも動作するベンチマークソフトで、2004年から継続的に開発されている歴史の長いソフトです。様々な種類のベンチマークが用意されており、そのマシンの性能を計測するだけでなくそれぞれの結果をベンチマーク共有サイト(OpenBenchmarking.org)に掲載されているものと比較することもできます。また、このサイトにはパーツごとのランキングもあるので自分が使っているPCと同じものがあれば参考にすることもできます。

環境構築手順

(1)OSインストール

Ubuntuをインストールするときのオプションは、以下の3つを選択。

  • 通常のインストール
  • Ubuntuのインストール中にアップデートをダウンロードする。
  • グラフィックスとWi-Fiハードウェアと追加のメディアフォーマットのサードパーティ製ソフトウェアをインストールする。

(2)パッケージ更新

Ubuntuのインストールが完了したらパッケージを更新します。

$ sudo apt update
$ sudo apt upgrade

(3)PHP関連のパッケージをインストール
Phoronix Test SuiteはPHPで書かれているので、先にPHP関連のパッケージをインストールしておきます。

$ sudo apt install php7.4-cli php7.4-common php7.4-bz2 php7.4-curl php7.4-sqlite3 php7.4-gd php7.4-xml

(4)Phoronix Test Suiteのダウンロード
公式のダウンロードページで最新のPhoronix Test Suiteのバージョンを調べてからダウンロードします。この記事の執筆時での最新版は10.8.4でしたので、その場合のコマンドを以下に示します。

$ wget https://phoronix-test-suite.com/releases/phoronix-test-suite-10.8.4.tar.gz
$ tar zxf phoronix-test-suite-10.8.4.tar.gz
$ cd phoronix-test-suite/
$ sudo ./install-sh

ベンチマークの実行

Phoronix Test Suiteには様々な種類のベンチマークが用意されていますが、今回はCPUの性能を計測するベンチマークの一つである「compress-7zip」を使用しました。このベンチマークは7zipという圧縮解凍ソフトを使用してファイルの圧縮・解凍をすることで性能を計測します。計測結果はMIPS(Million Instructions Per Second:1秒間に何百万個の命令が実行できるかを表す)という単位で表されます。compress-7zipは以下のコマンドで実行できます。

$ phoronix-test-suite benchmark compress-7zip

実行結果と考察

ベンチマークを実行した結果、以下のような結果が得られました!

まずは圧縮性能では、VESA T3が23724 MIPSであるのに対してCubeは55408 MIPSと2倍以上の数値を叩き出しました!
解凍では圧縮のときほどの差は出ませんでしたが、それでも10000 MIPSほどCubeのほうが高い数値を記録しました。

CubeもVESA T3も省スペースなPCという点ではコンセプトが近いですが、モバイル向けのパーツを使っているVESA T3よりデスクトップPC向けのパーツを使っているCubeのほうが高い性能を誇ることがわかりました!

まとめ

今回はPOWERSTEP CubeにUbuntu 20.04 LTSとPhoronix Test Suiteをインストールしてベンチマークを計測してみました!デスクトップPCとしては小型のCubeですが、モバイル向けのパーツを使用しているVESA T3と比べると流石にパワフルでしたね。他にもCubeはVESA T3には無い2.5 Gigabit LANポートやPCIe 5.0ポートも搭載しています。一般的な事務作業であればVESA T3でも十分ですが、設置スペースを節約しつつより負荷が高く幅広い作業をこなす場合にはCubeがおすすめです!

またベンチマーク共有サイトのOpenBenchmarking.orgでは有志の方が投稿したcompress-7zipの結果を見ることが出来ます。CPU毎のランキングもありますので、ぜひご自身がお使いのCPUと今回の結果を比べてみてください!前述の通りPhoronix Test Suiteは様々なOSでも動作しますので、実際にベンチマークを実行していただければより参考になると思います。

POWERSTEP Cubeの詳しい仕様やBTOの内容については下記の製品紹介ページや見積依頼ページをご覧ください!

POWERSTEP Cube (製品紹介/見積依頼