本日より、脳科学の研究者・学生向け小型デスクトップパソコン「Lin4Neuro Starter Model」(リンフォーニューロ スターターモデル)の取り扱いを開始します!

Linuxの一種で、脳科学の研究を支える「脳画像解析」に特化したLin4Neuro(リンフォーニューロ)。

今回リリースしたのは、Lin4Neuro開発者である根本清貴先生のご要望もあり、「脳画像解析の入門者向け、リーゾナブルでコンパクト」を目指した製品です!

Lin4Neuroと言えばあの製品

昨年、弊社は「Lin4Neuro」がプリインストールされたタワー型デスクトップPCPOWERSTEP Tower for Lin4Neuro」をリリースしました。

新モデルの「Lin4Neuro Starter Model」POWERSTEP Tower for Lin4Neuro」も、どちらも脳画像解析に特化したLin4Neuroが、予めインストールされています。ユーザー側でOSのインストールや設定作業は不要。

つまり、どちらも電源をいれれば、どなたでもすぐに脳画像解析に取り組むことができます!!!

しかも、Lin4Neuroは普段Linuxを利用しない人でも戸惑うことなく自然と動かせるように、UIを色々と工夫されているとのこと。お気遣いと優しさでできています。

個人的にはスタートボタンが左下に設置されていたり、メニュー一覧の表示方法などがWindows 7ぽさを感じるので、Lin4Neuroを立ち上げるたびに少し懐かしい気持ちになります。

さて、本日はそんな「Lin4Neuro」があらかじめインストールされている2製品を「大きさ」「性能」「価格」の3点から比較していきます。
これから脳科学研究や脳画像解析を始める方々にとって、解析機器を購入するときの参考になれば幸いです!

第1試合:大きさ・重量

まずは「POWERSTEP Tower for Lin4Neuro」

身長180cm(※体重は秘密🤫)の男性と並んだ写真をご覧ください。大体ヒザの高さくらいになります。

大型GPUを搭載していることもあり、冷却機能などを考慮したサイズで、機器の高さは約50cmです。

幅は約21.5cm 、奥行は約50cmです。

ストレージやグラフィックボードの構成にもよりますが、重さは15〜20kg程度になります。中型犬の中でもちょっと大きめの子の体重です。ボーダーコリーの成犬くらいですね。

続いて「Lin4Neuro Starter Model」

足じゃなくて手との比較になります。写真の通り、片手で持てます。

横幅・奥行は約12cm、高さは約5.4cmで、本体のみの重量は約0.7kgです。生後2ヶ月のトイプードルの体重と同じくらいです。

このサイズなら、書類が積み重なった机の上でも、なんとか設置スペースをつくれるのではないでしょうか?

VESA規格対応モニターであれば、モニターの背面に取り付けて使用することもできます。

最後に、「POWERSTEP Tower for Lin4Neuro」と「Lin4Neuro Starter Model」を一緒に撮影するとこんな感じになります。

意図せずカエルの親子みたいな写真になってしまいましたが、大きさが全然違います。
ご自身の研究室などのPC設置スペース等を考えて機種を選択するのもアリかと思います。

第2試合:性能

「Lin4Neuro」に含まれているテストスクリプトの計測結果の一部を公開します。

まずは、「POWERSTEP Tower for Lin4Neuro」

最初は標準構成のCPUのみで測定(CPU:Intel Core i9-12900KF)

brain@TL-0000:~/git/lin4neuro-jammy/test-scripts$ ./test_eddy_cpu.sh
real 98m21.994s
user 97m3.494s
sys 1m18.281s
eddy_cpu was done successfully.

real 102m28.304s
user 100m54.316s
sys 1m33.675s
eddy_cpu was done successfully.

色々数字が書いてありますが、とりあえず水色の数値をご覧ください。
例えば一番最初の「real」を見ますと、処理が完了するまで「98分21.994秒」かかったようです。ボーダーコリーくんがテストスクリプトの距離を完走するのが100分くらいかかったわけですね。

次は「CUDA」を使用して測定

「POWERSTEP Tower for Lin4Neuro」といえばGPUが搭載できるのが強みです。nVidiaのGPUを使用したテストスクリプト処理の結果も見てみましょう。

brain@TL-0000:~/git/lin4neuro-jammy/test-scripts$ ./test_eddy_cuda.sh
real 4m56.714s
user 4m16.922s
sys 0m39.902s
eddy_cuda was done successfully.

real 4m57.299s
user 4m16.475s
sys 0m40.910s
eddy_cuda was done successfully.

ん!?
CPUのみでは「98分21.994秒」かかっていた処理が、たったの「4分56.714秒」で完了…!?
ボーダーコリーくんに電動アシスト機能をつけて爆速になったようです。

雑・・・・

この測定結果は、電動アシストならぬnVidia社のGPUで使える「CUDA」(クーダ)と呼ばれる実行環境を使っています。数値を見ていただければわかるように、「CUDA」を使えば画像解析などの演算処理が飛躍的に向上します。
ただし「CUDA」を使うためには「CUDA」対応GPUが必須です。また、熱対策等も必要のため、必然的にコストは上がります。

続いて「Lin4Neuro Starter Model」の測定結果

こちらはGPUを搭載していませんのでCPUのみの数値です。

brain@NL-0000:~/git/lin4neuro-jammy/test-scripts$ ./test_eddy_cpu.sh
real 125m31.655s
user 123m56.602s
sys 1m34.066s
eddy_cpu was done successfully.

real 126m2.138s
user 124m26.037s
sys 1m35.169s
eddy_cpu was done successfully.

トイプードルくんは「real」を完走するまで126分ほどかかっています。他を比べても「POWERSTEP Tower for Lin4Neuro」の方が良い数値を叩き出しています。筐体が大きいだけあって、処理速度は「POWERSTEP Tower for Lin4Neuro」の方がやっぱり優秀です。

第3試合:価格

性能が良くても予算内に収まるかどうかは、重要ポイントですよね!

まずは「POWERSTEP Tower for Lin4Neuro」

こちらは受注製品であり、パーツの価格変動の影響をダイレクトに受けるので、発注時のタイミングにもよりますが、標準構成で40万円前後となっております。

カスタム可能な製品のため、グラフィックボードの種類やメモリ・ストレージ容量の追加によってお値段も変化します。予算に合わせてカスタムすることもできますので、お気軽にご相談ください!

そして「Lin4Neuro Starter Model」

こちらは仕様やストレージ類はすべてこちらで設定したものに統一させていただいておりますが、お値段は税別17万円となります。明瞭会計!

まとめ:プロはタワー型、入門者は小型モデルがおすすめ

「POWERSTEP Tower for Lin4Neuro」は、何と言っても高性能!

こちらをご購入してくださった某医大の先生が「いままで12時間もかかっていた解析作業が、この機器を導入して35分に短縮された!」と大絶賛してくださいました。(IT業界にいながらにして医学の進歩に携われて大変光栄です!)
この先生のように、脳画像解析のプロフェッショナルな皆様でしたら、高性能なタワー型も使いこなせると思います。

ほかにも、ハードウェアのカスタマイズ性・拡張性といった多様な魅力がございます。

しかし、これから脳画像解析に初挑戦する方、脳画像解析に興味はあるけどLinuxも慣れてない…という方が、いきなり膝の高さまであるデスクトップPCを導入するのは、正直なところ少々ハードルが高いのではないでしょうか。。お値段もそれなりにかかるのも事実ですし、設置のためのスペースも確保しなくてはなりません。

一方の「Lin4Neuro Starter Model」は、GPUを搭載した「POWERSTEP Tower for Lin4Neuro」に比べると性能では太刀打ちできません。

とは言え、仮想マシン上でLin4Neuroを動かして脳画像解析を行うより、「Lin4Neuro Starter Model」を利用した方が、圧倒的にパフォーマンスが高いです!!

また、性能面を補うだけのコストパフォーマンス、設置のしやすさ、可搬性などといった魅力が満載です!

「Lin4Neuro Starter Model」は脳画像解析の基本的な作業に十分な性能を備えております。価格を考えると、コストパフォーマスンスは悪くないのではないでしょうか。
性能を上げるために外付けGPUと接続する方法もあります。こちらについても、ゆくゆく皆様へお伝えしていくつもりです。

「Lin4Neuro Starter Model」は、脳画像解析の入門者の皆さまや、すでに脳画像解析用に別機をお持ちの先生の自宅用・サブ機などにオススメです。

学生さんたちの学びや、研究のお役に立てたら幸いです!

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