手元のスマートフォンやノートパソコン、タブレットなどの端末の画面を、ワイヤレス通信でディスプレイに画面ミラーリング(投影)ができるQuattroPodシリーズ製品。

送信機を挿してポチッとするだけでディスプレイに表示可能、分割画面表示もできる、パソコンならばMacもWindowsもChrome OSも対応、スマートフォンならiOSもAndroidも対応、AirPlayにも対応…となかなか賢い製品です。
※詳しい製品の機能等は過去のブログをどうぞ:
QuattroPodってどんな製品?OS/デバイス別の使い方をおさらいしてみた!


実は、QuattorPodシリーズにはこんな機能もあるのです。

↑動画の01:15頃から紹介されているタッチバックコントロール(Touch Back Control)機能。

通常は送信機につないだパソコンなどの端末を操作して、受信機でつないだディスプレイに画面ミラーリングをしています。


QuattroPodが対応しているタッチパネル機能付きのディスプレイを使えば、な、なんとディスプレイ側から端末を操作することができるのです!

しかし、ここで問題が…

弊社でもQuattroPodシリーズにタッチバックコントロール機能があることは存じ上げておりましたが、対応ディスプレイ一覧を拝見すると残念ながら日本未発売のディスプレイばかり……!さすがグローバル展開しているQuattroPodくんですね…。
つまり、QuattroPodのタッチバックコントロール機能は日本国内では実質使用不可、ということになります。
悲しい…。
そのためHPでもブログでもこの機能についてほとんどご紹介してきませんでした。

しかし、せっかくのタッチバックコントロール機能。このまま宝の持ち腐れにしてしまうには惜しい!
この機能、プレゼンテーションやミーティングのときに使えたら、きっともっと便利になりますよね!ね!?
どうにか国内で販売されているタッチパネルディスプレイでも動作確認できないかと模索していたところ、ViewSonic様のご厚意で日本国内でも販売されているタッチパネルディスプレイをお借りすることができました。(ViewSonic様、関係者の皆様、ご協力ありがとうございます!)

というわけで、QuattroPodのタッチバックコントロール機能が正常に機能するか、検証していきたいと思います!

今回の検証内容:

ViewSonic社のタッチパネルディスプレイで、QuattroPodのタッチバックコントロール機能が使用できるか

※理想のタッチバックコントロール使用例

しっかり動きますように!!
頑張れ、QuattroPodくん!!

環境

(1)機材
①ViewSonic TD2421製品紹介ページ
23.6型 VAパネル フルHD 2点光学式マルチタッチディスプレイ

2本指で回転・ズームイン・ズームアウトなど、シンプルかつ直感的な操作が可能なディスプレイ。しかも指だけでなく、タッチペンや手袋をはめても認識してくれるのだとか。なるべく他人との接触を減らしたいコロナ禍のご時世にピッタリなタッチパネルディスプレイです。
解像度はフルHD(1920×1080)に対応しています。
ViewSonic社の技術が施されているため明るい場所に置いてもディスプレイの画面が見えにくいなんてことも少なく、耐久性の高い保護ガラスも使用されているので、屋内デジタルサイネージにも良さそうです。

★2021年10月現在、ViewSonic TD2421は終息製品となっております。後継機種として
View Sonic TD2423
ViewSonic TD1655
(USB Type-C対応のモバイルディスプレイ)
の2種類があります。

弊社では、どちらもWindowsとLinuxの場合はStandard 送信機、Mini 送信機、USB 送信機のいずれも動作することを確認しております。MacOSはHDMIポートまたはMiniDPポートのある機器に限り、Standard 送信機とMini 送信機での動作確認ができております。

QuattroPod Standard または QuattroPod Mini スターターパック
今回、4K出力対応のStandardを使用したところ、面白い発見がありました(後述)。

③Windows をインストールしたPC
こちらのページ(英語)にてTD2421のタッチパネル機能はWindowsは「互換性あり」と明記されています。
※原文:PC compatibles (Windows 7 / 8 /10 Operating System)

弊社で取り扱っているPOWERSTEP VESA T3にWindows 10をインストールしました。     

VESA T3のショート型は高さがたったの36mmです。
こう見えてデスクトップパソコンです。

このほか、以下の2種類のパソコンもご用意しました。
・HP Spectre x360 Convertible
・TOSHIBA Dynabook Satellite B35/R

どちらもWindows 10をインストール済みですので、計3台のパソコンで動作確認を行います。

④ディスプレイアダプター(変換アダプター)
HP Spectre x360 Convertible にはHDMIポートがついていないため、OWC Dual HDMI with Thunderbolt3 を使用しました。HDMIポートのあるパソコンであればこちらは不要ですよ!またQuattroPod StandardであればminiDPでも接続可能です。

⑤USB Type-C マルチカードリーダー(USB Type-Aあり)
こちらは近くのお店から弊社スタッフが買ってきました。

(2)構成

①ViewSonic TD2421とQuattroPod Standardの受信機を接続

②WindowsのパソコンとQuattroPod Standardの送信機を接続

※ノートパソコンなど、USB Type-Aのポートや、HDMI ポートが無いものは、変換アダプターを使用してください。

検証方法

以下の3種類のパソコンを用意する。

A. POWERSTEP VESA T3(INTEL NUC)
B. Spectre x360 Convertible
C. dynabook Satellite B35/R

(1)TD2421 単体での動作検証
TD2421 とパソコンを直接接続して、タッチパネルが動作するか検証

(2)QuattroPodで画面ミラーリングしたTD2421で、タッチパネルが動作するか検証
TD2421とQuattroPodの受信機を接続し、パソコンにはQuattroPod送信機を接続する。送受信機間で映像信号を飛ばし、TD2421にパソコンの画面をミラーリングする。

結果

(1)(2)ともに

A. 問題なし、正常に動作
B. 問題なし、正常に動作
C. 問題なし、正常に動作

動きましたー!!

全く問題なく、スムーズに動きました!!
せっかくですので動画でご覧頂きましょう!

ご覧の通り、とてもなめらかに動いております。

QuattroPod Mini 送信機でも、ちゃんとタッチパネルが動作しました。
と、いうことは……

QuattroPodシリーズは、日本国内でもViewSonic社のタッチパネル機能付きディスプレイならば、Windows 10でタッチバックコントロール機能が使えます!!!

タッチバックコントロール機能も使えるならば、プレゼンテーションやミーティングでさらに便利になりますし、工夫すればタッチパネル式の案内板やショップのインフォメーションボードにも活用できそうですね。QuattroPod が1台あるだけで色んな使い方ができます。夢が広がります(?)。

公式には「対応」と書かれていない、あのOSでも動く!?

さきほどもお伝えしましたが、ViewSonic社のこちらのページ(英語)にて、TD2421のタッチパネル機能はWindowsは「互換性あり」と明記されています。
Linuxについては記載がありませんでしたが、弊社のお客様にはLinuxを愛用する方々もいらっしゃいます。
というわけで、Ubuntuでも動かせないのか検証してみました。

先ほどの実験でも使用した弊社取扱製品のPOWERSTEP VESA T3にUbuntu Lts 20.04をインストールし、同じように検証方法(1)(2)を行います。

その結果…

ちゃんと動きました!!

見てください、このなめらかな動き!!予想よりも遅延も少ないです。ViewSonic TD2421はUbuntuでもタッチパネルが使えるみたいです!!(※メーカー非公認情報です)

しかもQuattroPodくん、WindowsやMac OS、iOSなどいろんなOSに対応していますが、実は「Linux、Ubuntuにも対応しています」とは正式には一切明記されていないんですよね。
それが今回、「QuattroPodはUbuntu Lts 20.04でも動作可能」ということがわかり、これはちょっとした収穫です。

やればできる子QuattroPod

QuattroPod Standardを使うと、画質も上がる!?

そして、WindowsでもUbuntuでも共通して、ある現象が起きました。

TD2421の解像度は1920×1080でフルHDなのですが、4K出力対応のQuattroPod Standard 送信機を使用することで、なぜか自動的に拡張され、フルHDよりさらに高解像度の3840×2160表示になるという嬉しい誤算も発見しました。数値だけで見るとフルHDの2倍高精細な画像が表示できることになります。(※手動で解像度の調整も可能です)

ちなみにMac OSとRasberry Pi OSでもQuattroPodを介してタッチバックコントロールができないか試してみましたが、こちらはタッチパネルの反応速度が遅く、QuattroPodを間に挟むとほとんど反応しませんでした。(むしろ非対応OSなのに多少なりとも反応してくれることにスタッフは感動しておりました)
ただ、タッチパネルは使わず、純粋にTD2421やQuattroPodをディスプレイや画面ミラーリングとして使用するにはMac OSでもRasberry Pi OSでも全く申し分ありません

結論

QuattroPodのタッチバックコントロール機能は、パソコンのOSがWindows 10とUbuntu 20.04 LTSであれば、日本国内でも販売されているViewSonic TD2421のディスプレイで動作可能!

さらにViewSonic TD2421の解像度は1920×1080のフルHDであるものの、QuattroPod Standard を使用することで、フルHDよりさらに高精細な3840×2160の表示が可能となる。

※おそらくメーカー側で確認できてない事象なので、今後はQuattroPodのFWアップデートなどをきっかけに高精細画質での表示ができなくなる可能性もあります。あくまで2020年7月時点では(なぜか)可能です。

スマートフォンでも、ノートパソコンでも、そしてタッチパネルディスプレイでも使えて(強調)、ワイヤレス接続で画面ミラーリングができるQuattroPodシリーズ。ぜひとも会議室や研究室に導入してみませんか?
操作が簡単ですので、突然の来客や、ちょっとした打ち合わせにも便利ですよ!

★タッチバックコントロール機能を活用した、こちらの投稿もどうぞ:
【QuattroPod】子供のプログラミング学習におすすめの環境を構築してみた!

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